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2012年 12月 19日 ( 2 )
蜷川実花展 @8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery


蜷川実花の写真展を渋谷ヒカリエの8/で観てきました。 この日19日は初日で、オープンなReceptionがある事はアナウンスされていたので、是非(クローズドではない)こんな機会にはミーハーな感じで参加してみたいな、などと思ったのですが、この日は数時間後に所用があり、それは諦めました。レセプション開始が近づくとギャラリーの人はかなりそわそわし始めて、携帯を片手に実花さんの現在地の報告を受けて開始時間を調整している様子。そして、8/ の小山登美夫ギャラリーの前の通路にはびっしりとお祝いのお花が並べられていて、こんな光景を見るのも初めてだったので、ちょっとビックリしました。並べられているお花も、蜷川実花さんに贈るのであれば、そんじょそこらのアレンジメントじゃダメだわ、と思うのか、とてもファンシーなアレンジメントが多かったです。濃い紅を基調とした深みのある濃密な感じの花が多かったのは、2010年に出された「noir」からのインスパイアでしょうか。 (それとも 単に季節が冬だから故でしょうかね。)

蜷川実花展 Mika Ninagawa
会 期 2012年12月19日 - 2013年1月14日
時 間 11:00 - 20:00  
場 所 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
料 金 入場無料 Admission Free
http://www.hikarie8.com/artgallery/2012/11/mika.ninagawa.shtml



今回の展示では、2003年制作のカラフルなフェイクの花を中心とした「Acid Bloom」、金魚にフォーカスした「Liquid Dreams」シリーズ、「旅」がベースの2004年制作の「floating yesterday」シリーズ、蜷川作品の違った一面を捉えた2010年制作の「noir」から出品されてます。そんな中で、ぱっきりとしたコントラストのカラフルな蜷川実花節の利いた写真とは趣を異にした、言わば裏蜷川実花と言うか、蜷川実花の闇と言うか、これまでの蜷川実花とは相対するものとしてあるような「noir」のシリーズに眼が行きました。 と言っても、2010年に発表されたシリーズなので、私がアップデートしていなかっただけなんだろうなーと思いますし、―地上の花、天上の色―を観に行ったのは2008年の事なのかー、と改めて驚いたりします。あまり記憶にないのですが、この 「noir」は―地上の花、天上の色―の最後のほうに伏線のように展示されていたそうで、その時はその裏蜷川実花はまだ影を潜めていて、虎視眈々と表に顕れる機会を待っていたのかも知れません。



今までにあまり題材にしなかったのでは? と思われるような、夜の街や夜のドライブ、しかもトンネルの中、みたいな写真もありましたが、聞くところによると、出産(2007年)をして夜しか出歩く事が出来ず、気持ちも育児疲れでクサクサしてたので、夜中に車を飛ばして写真を撮りに言っていた、そして、その頃見るものはやっぱり見えるものなりの写真になった、と本人が言っていたように記憶してますが、そのインタビューの記事が手許にある訳ではなく、定かではないのですが、この写真はそんなやさぐれた当時の彼女の心境も反映しているようです。(時系列が合ってないのかも知れませんが・・・・)



蜷川実花の作品と言われるとぱっと思い起こすカラフルな画面、キレイでまるで作り物のような水色の空。私だけの感覚とも思いますが、その写真を見るといつも、子供の頃よく親にねだって買って貰っていた少女向けのノートやビニールのカバンに描かれていた写真のような絵のような作り物のような「キレイでカワイイ」世界を思い出すんです。そして、それをとっても大切にしていた事も。蜷川実花の作品は女子達のそんな風な思い出の中にじわっと来るのかも知れません。しかしながら、彼女と同年代の私にはそうなのですが、もっと若い世代の子にとっては、cameran なんでしょうねー。ある意味、cheapで大衆的な世界観と(どんな世代の)女子にもとっつき易い世界を展開しているからか、ある時私は、『蜷川実花、結構好き。』と言った後に、何故か『誰も聞いていなかったでしょうね…。』と周りをきょろきょろしたくなる気持ちがする、と言った事があります。余りにも、臆面も無くgirlyなところで、『蜷川実花、結構好き。』と公言するのが憚られるのだと思うのですが、蜷川実花的写真と言う冠がついたジャンルや作風を生み出したと言うのは、一つの業績ではないでしょうか。


この写真は今回は展示されていなかったんですが 気に入ったので載せちゃってます。


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そう言えば、かの蜷川実花監修のcameran バカ売れしているようですね。この日もムービーと音声さん・照明さんが、如何にも蜷川実花ファンのような風貌の女子を数人捕まえて、会場の前でcameranについてインタビューしてました。 かく言うワタシもユーザーの1人。1枚cameranしてみました・・・・・。


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by sanaegogo | 2012-12-19 00:00 | art
松本栄文司厨長 セミナー:お正月を迎えるために
この日は、いつもとは少し趣向を異にして、「日本文化」についてのセミナーに行って来ました。 食べる事は大好き。 日本食も洋食も。美食家ではないですが、食いしん坊です。子供の頃はひいおばあちゃんも一緒に4世代9人で食卓を囲んでいた昔ながらの割と古い大家族に育ったので、季節の節目節目にその意味も解らずに食卓にのぼる縁起をかついだお惣菜を食べたり、カレンダーに載っていない旧暦に則った年中行事みたいなもの度に家に集まる親戚達との何だかんだ(おばあちゃんはこれを『人寄せ』と呼んでましたが)の中で育ちました。なので、そんなものに親しんでいながら、実は昔っからの日本の村に伝わるような「しきたり」とか「由来」とか「起源」とか「意味」とかにとても関心があるのですねー。で、お誘いを受けたときは、是非とも!と言う感じで参加してみました。 既に何度か開催されているセミナーと言う事で、この日の新参者は私と友人とあと何人かだったのですが、食材やや漆器、建物、発酵食品など、今後もテーマを変えて開かれるそうですので、楽しみにしている次第です。
講師の方は、松本栄文さん。佐原にある花冠と言う料亭の司厨長をしていた(いる?)方です。司厨長と言うのは耳慣れない言葉ですが、料理長の事だそうです。奈良・平安朝の昔から、調理する場所を「厨房」といい、「厨」(くりや)とは「食物を料理する所、台所」を意味するそうですが、この厨を司る料理人を「司厨人」と言い、つまりその「長」と言う事です。現在でも、宮内庁では皇族方のお食事を調理する場所を「大膳寮」、料理長を「司厨長」と呼んでいるそうですが、現在では色々変遷を経て西洋料理に携る人の事を指すようです。(社団法人全日本司厨士協会のHPより) この松本栄文さん、プロフィールを拝見すると『東京農業大学研究員。近衛流分流松本宗家に生まれ、第二十七代清櫻堂当主を継承。食品学者として日本の食材を研究し、講師などを務める。千葉県の香取市で「佐原茶寮 花冠」司厨長でもある。著書に『食材は語る』『すき焼き SUKIYAKI』(ともにカザン刊)(2012年12月03日現在)』 とあります。日本文化のスペシャリストと言っても、先ほど私が言った日本の田舎の村々に伝わる・・・、みたいなもんじゃなく、もっと由緒正しく本格的。鎌倉時代の五摂家の流れを汲むお公家さん出身の方です。今の日本文化の大元(おおもと)は公家文化を起源として民間に模倣されるように広まったものが多いので、そう言う意味では、本家本元。そんなお話を拝聴して参りました。 (余談ですけど、中高生の頃、うちのおばあちゃんの口にする『そろそろ○○の頃だねぇ。準備しなくちゃねぇ。』みたいな、○○が日本史の教科書に載っていてビックリしたような経験が何度かあります。そんな昔っから行われてたのか~、はぁ~、と。) (もちろん 民衆レベルのハナシですが。) この日のテーマは『お正月を迎えるために』。お正月は昔からの「しきたり」と「ならわし」の宝庫。子供の頃から意味も解らず、「こうするものだ。」と教えられてきた物事が紐解かれるのです。
お話の内容は、歳神様のお迎えの仕方からその本来の慣わしが行われるべき時期、煤払い、鏡餅、門松の由来やいつまでに(歳神様を迎えるためにいつまでにそれをするのか)済ませておくのか、を皮切りに、花びら餅やおせち料理のこと。年越しそばや雑煮の正しい認識と食べるタイミング。話はどんどん膨らみ古来からのお味噌やお酢そして砂糖の歴史など、コネタ、大ネタが淀みなく出るわ出るわで、あっと言う間に時間は過ぎて行きました。(「ネタ」と言っては失礼なほど、きちんとしたお話です。)

≪門松≫
門松と言うくらいなので、家の門の前に松を立てるのですが、ワタシはぱっとイメージすると先ず竹を想像してました。竹なのに門松なんて、そう言えばその事にあまり矛盾も感じてなかった自分にびっくり。松は真ん中にある緑の部分だけで、自分の中では完全に主役は竹。そして俵のような土台の部分。肝心な松にあまり目が行っていなかったのに今更ながらに気がつきました。関東と関西で様式が違っていて、「寸胴」と言われるのが先が平らなもので商人の多い関西でよく見られるそうです。先をすぱっと切っているのが「そぎ」。これは武家の多い関東で多い形だそうです。松は年中緑の葉をつけているところから、生命力を現しているそうです。


≪鏡餅≫
この上に乗っているのは、蜜柑ではなく橙。家が代々栄えるように。(因みに我が家はずっと蜜柑が乗ってました。) (あるいはワタシがそう思ってただけかも。) 鏡はまさしく古来から神様が宿るところ。神社のご神体の鏡と一緒の意味だそうです。 それを床の間に置いて歳神様が家の中でどこに居ればよいか、お示しするのだそうです。


≪おせち料理≫
おせち料理は今では「御節」と書き表されますが、本来は「御歳供」と書くそうです。文字通り歳神様にお供えをする料理、ですね。お重の中に入っているものにそれぞれ意味があるのは多くの人の知るところですが、どう食べたらよいかまでは・・・。重箱は必ず真ん中から箸をつけること。重箱の隅のものから食べるのは、「家の隅に穴を開ける」行為で、おめでたい御正月にやってはいけないそうですよ。


e0168781_1562047.jpg≪花びら餅≫
この日初めてその存在を知りました。京都方面の方には御馴染みなのかしら。関西は丸いお餅が多いようですが、丸いお餅は宇宙を表し、それを半分にすると言うのは中に入っている白味噌餡と写真の棒状の何かを包み込む行為だそうです。 棒状の何かは一体何か? そう、中からにゅっと出ているのは、牛蒡。牛蒡は土を表し、大地を包み込む、に肖っているそうです。この牛蒡がまた、美味しいのです。本当は今食べるものではないのですが、先生が特別に注文して持って来てくださいました。 もう一度食べたい・・・・。


≪田作り≫
おせち料理の定番ですが、この日は『料亭の本格的な田作りを』と、その場でちゃちゃっと作ってくださいました。一番上の写真はごまめを手で煎る松本先生。スゴ技です。手で煎らないとごまめの中の微妙な水分の飛び具合が解らないそうです。 なので、必ず手で!と言うのが今日の教えです。煎りあがったら粗熱をとって完全に冷めてからタレと和える。これって、誰しも間違っていたようです。ワタシは田作りなど自分で作ったことがないので知りませんでしたが、料理の本では、「熱いうちに、冷めないうちに」と書いてあるようで、皆さん驚いてました。熱いうちに和えるとごまめの中にタレが入り込んでしまい、カリっとせずにベチャっとした田作りになるそうで、ワタシも子供の頃からそんな田作りを食べてました。 お母さんに教えてあげよう!


これはホンノ一部の内容ですけど、まだまだ感心する事しきりの楽しい話が盛り沢山でした。 お扇子をひらひらとさせながら軽妙な語り口の松本栄文先生。写真とご本人の印象が全く違っていたのには少し驚きました。またお話聞きたいです。

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by sanaegogo | 2012-12-19 00:00 | activity