植田正治写真美術館で大山を臨む
念願の鳥取砂丘に分け入ったその翌日、これまた念願の植田正治写真美術館まで足を延ばしました。ご存知の通り植田正治氏が砂漠劇場と称して鳥取砂丘で数々の名作を生み出していたので、ちょっとの移動で行けるものかと錯覚していたのですが、実は鳥取砂丘から美術館のある岸本という駅までは乗り換えも含めて3時間弱くらいかかるのですね。 植田正治が暮らしていた境港までは更にかかるので、家族や助手を連れて、たくさんの機材や小物を運んでの鳥取砂丘での撮影は、まさに家族旅行の小旅行さながら、子どもたちや奥さんのうきうきと楽しそうにはしゃぐ姿が想像されて、とても微笑ましくもあります。宿泊したゲストハウスから電車で行こうと思っていたのですが、ここでの夜の宴で友達になったお二人が車で境港まで行くというので、急遽便乗させてもらう事にしちゃいました。 これもこの鳥取旅行の楽しい思い出のひとつになりました。
舗装はされているけどどこまでも続く1本道をひた走り、1時間半くらいのドライブ。車窓からの田舎の景色がより一層、『遠くまで来たんだなぁ。』なんて気分を掻き立てます。そんなこんなで、ついに植田正治写真美術館に到着!です。
駐車場に車を停めて、まず見たかったのが優美な姿で佇む大山(だいせん)。中国地方の最高峰でその美しい佇まいから伯耆富士とも呼ばれ、この地方の人々に古くから愛されてきました。





植田正治自身も大山には思い入れが深く、美術館は正面の池には多くの写真家や画家のモチーフとなった「逆さ大山」を写し、各展示室からはそれぞれの大山を望むことが出来て、雄大な伯耆の自然とその景観を取り込んだ、まさに大山と渾然一体となった建築物です。1995年の開館、設計は建築家の高松伸氏です。建物の外観や自然の中での在り様については写真に収める事が出来なかったので、この度はGoogle のStreet Viewから拝借しました。本当に便利な時代になったものです。





美術館の前の道から大山を臨む。 青々とした草地(実際は畑)の彼方にまるで富士山のような大山の流麗な稜線が見て取れて美しいです。





植田正治美術館と銘打ってあるパネルと美術館。特徴的な形はどこが正面なのか俄かには判らず。 これは、1939年の作品である「少女四態」をモチーフに設計されたと言う事です。



少女四態






植田正治写真美術館のパネルと大山。 とにかく広々としています。ストリートビューの撮影の季節は定かではないのですが、きっと夏でしょうね。 私たちが訪れた日も(夏ではなかったですが)このViewのように晴れ渡っていて雲が綺麗でした。鳥取に入ってから、澄み渡った空に浮かぶ雲の変化がとても印象的です。 (あ、この車 前の画像に映り込んでいるのと同じ車ですね。 Street View こんなところが面白いです。)





美術館の全貌です。なるほど。少女四態ですな。自然の風景とコントラストをなしたとても人工的な外観です。辺りには本当に何もなく、唐突にこの美術館が建っていますが、周りの景色から浮いてしまっている感じは全くありません。それが不思議です。大山を遥かに眺めている時の植田正治の穏やかで清々しい心境を表してるかのようです。広い風景は本当に気持ちいいもんですねー。

さて、中に入ると展示してあるのは、植田正治が砂丘シリーズではないもう一つの作品群『童暦』を制作するまでに至った道筋と『童暦』の作品などを紹介したものです。

展覧会名:植田正治、〈童暦〉への道
会期:2014年9月13日(土)― 11月30日(日)
http://www.japro.com/ueda/set/09.html

『童暦』は2014年の年の瀬に東京ステーションギャラリーでの展示でも観ました。昭和のおかっぱ頭と坊主狩りのレトロな風貌の少年少女から滲み出てくる不思議なモダンな感じ。「古いものが古いものとして今見ても新しい」と感じたのをよく覚えています。もうひとつ、ここならでは、でとても来て観た甲斐があったのが、映像展示室のあった200インチの大型映像システムによる映像プログラム上映と、世界最大級600mmカメラレンズによる「逆さ大山」の投影です。映像展示室そのものがカメラの内部の構造と同じになっていて、レンズを通して投影され、焦点で結ばれた像が逆さに写るという光学的な基本原理を知ることができます。まるでこの子供の理科の実験室のような雰囲気が茶目っ気たっぷりで可愛いですよね。



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美術館に行ったら、何といっても是非是非写真に収めたかったのが、このショット。展示室を繋ぐ廊下の一角に大山を正面から臨めるところがあって、そこでこんな写真が撮れるのです。ってファンならもう重々ご承知ですよね。 何という粋で茶目っ気たっぷりの演出!! この日は3連休でしたが、訪れる人はそんなに多くなく、皆さんそれとなく順番を待って、みんなが正面から撮影が出来るようにそれとなく譲り合うマナーの良さも、実に気持ちのよいものでした。窓の開口部の隅にはステッキや黒い傘が置いてあって、ちょっとした砂丘劇場っぽい演出も楽しめます。





私は黒い傘をチョイス。もうちょっとなんとかしたら良かったかな。






ゲストハウスで一緒だった2人。 偶然ここで再開しました。
実はこのお2人のポージングには、かなり演技指導、入ってます。(笑)


楽しい時は過ぎ、もう一人の旅のお供(この子もゲストハウスで昨晩一緒に呑んでたのですが・・・。) と帰りはバスで岸本の駅に向かう予定だったのですが、色々考えて境港まで行くお2人の車に図々しくも再び便乗させてもらい、途中の米子の駅で降ろしてもらう事にしちゃいました。 だって、この広大すぎる自然の中のぽつんとしたバス停は。バスを待つには心もとなかったから・・・。 知り合った面々との触れ合いも楽しかった植田正治写真美術館への旅でした。 本当にお世話になりました。 ありがとうございます!!




大山とあまりにも長閑で呑気なバス停。


12月1日から2月末日までは冬期休業に入ってしまうので、このタイミングに行けて、本当に満足です。

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by sanaegogo | 2014-11-24 00:00 | traveling in Japan | Comments(0)


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