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【アイルランド旅行記】 ダブリン滞在の最終日


今更ですが、Dublinの街の地図。河沿いにHistorical District のTemple Bar が続いていて、ここが昔からの一番古い繁華街です。 Dublin到着の時 泊まったのが Paramount Hotel。 今にして思えば、雨の中空港からのバスを降りたのが Trinity Collageのあたりでしょ。 大分歩いたんですね。 この距離。そりゃ、心細くもなるだろう。で、今回最後の滞在をしたのが、George Frederic Handel Hotel。 ドイツ語読みだとゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル。 これは、マカベウスのユダの「見よ、勇者は帰る」(優勝者を称える曲や表彰状授与の曲でお馴染み)やオンブラ・マイ・フなどで有名なバロックの作曲家のあのヘンデルの事です。縁の地だったらしく、ホテルの裏にはなにやら音楽院みたいなものがあります。

午前中はヒューレーンに行ったので、そのままCathedralを見て、Grafton Streetでランチを食べて、Trinity Collage にでも行ってみよう!というざっくりとした計画。ダイジェストです。



Christ Church Cathedral(クライストチャーチ大聖堂)。 大聖堂って本当にどこの国のどの街にもあります。 キリスト教の伝播の物凄さを顕してます。これがDublinの大聖堂だって判るとしたら、空の雲の表情と青々とした芝生でしょうか。 そして、建物はシンプルな石造りで骨太な感じです。






教会の中は薄暗いのですが、Dublinの弱い光でもステンドガラスを通して綺麗な色彩を見ることができます。華やかさはないけど、堅実で正直な感じは、これまたアイルランドの文化を象徴しているようです。





この日は天気が良く、夏らしく少し暑かった(といっても24度くらい)ので、エントランスの前にあった寛ぎスペースでアイスティーを飲みながら暫しの寛ぎ。 教会には旅行者も街の住人もランチボックスを広げてピクニックのように楽しげでした。 近くのオフィスで働いているような人たちもビジネススーツのままランチボックスを摘み楽しそうに談笑しています。とてもゆったりした昼休みですね。



Grafton Streetまでの途中、道一杯に万国旗が。三角旗は青と水色。白もあります。青い空と相まって、とっても清々しい。






市内を走るローカルバス。 カラフルな水色と黄色


Grafton StreetはTrinity Collageから伸びる目抜き通りのひとつ。 高級デパートやカフェが建ち並ぶエリアです。華やかな感じの通りではありますが、『ONCE ― ダブリンの街角で』(2007)という映画を思い出すと、自分の持っていたGrafton Streetのイメージとはちょっと違うな、と思いました。 映画は主人公が移民の女の子だと言うのと、当時アイルランドは景気と治安が悪かったと言うのと、季節が冬だったと言うので、もっと寒々としたところがあり、人々が日頃の憂さをお酒で晴らすような通りなのかと想像していたのですが、ショッピング天国のような通りなんですね。 それともこれがダブリンの光と影、みたいなものなんでしょうか。




大きな通りを中心に網目のように細い路地があります。 コーナーには必ずと言って良いほどパブがあり、ギネスの看板が。





Grafton Streetのタワーレコードでなにやらラジオ番組をやってました。 通りを行く人にニッコリと微笑みかけているのはMCなのか、ゲストなのか、定かではありませんが、カメラを向けて手を振る人に応えてのファンサビースの素敵な笑顔です。 Grafton Streetといえば、レベルの高いストリートミュージシャンの演奏があちこちで聴けることでも有名ですが、この日はミュージシャンではなく、パフォーマーや作品のライブ制作をするアーティスト方が多かったです。




街角のスペインバルで遅いランチを済ませ Trinity Collageへ。 Trinity Collageはアイルランドのみならず、英語圏の大学の中でもずば抜けた歴史と伝統を誇っています。 1692年にイギリスのエリザベス1世により創立された由緒あるアイルランド最古の大学です。 旅に出て、そこにある伝統校の大学に立ち寄るのが好きで、Trinity CollageはDublinで楽しみにしていた訪問先のひとつです。
芝生の上でゆったり寝転んで足の疲れを癒します。 草熱れがいい匂いで、日影ではひんやりもしています。 学生の他にも沢山の人が訪れています。 この列はアイルランドの至宝 「ケルズの書」を観るために並んでいる人たちです。わたし達も一瞬は並んだのですが、芝生でごろごろ寛ぐ時間の方をチョイスしてしまいました。 「ケルズの書」とは、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書の事で、とっても豪華な装飾が施されているそうです。 大学の売店でそれを模したクッキーとかが売ってました。 ケルト特有の渦巻き模様や人や動物などが描かれていて、ケルト美術の最高峰といわれているそうです。




「ケルズの書」は諦めましたが、大学の売店から上を覗くと「ケルズの書」見学者が観ることが出来る図書館がちらりと。 物凄く古い古書などありそうですよね。 ここは恐らくOld Library の Long Roomと呼ばれているところでしょうか。 大学の売店でお土産を少し買いましたが、後で街中のスーパーにも売ってて、しかも、大学生協より大分安かったのにはちょっとショック!







Trinity College の中庭から撮影





Trinity Collageのカフェテリアでコーヒーを飲もうと思っていたら、早めの閉店。 街のカフェでアイリッシュコーヒーを飲んで、再びGrafton Streetをちょっとだけうろっとしてホテルに戻る事に。 驚いた事に、早々と仕事を終えたビジネスマンがネクタイを緩め、外し、わさーっとパブの外に出て既に一杯やってます。 もちろんギネスでしょうね。 店の中がいっぱいなのか、これがスタイルなのか、皆、外でグラスやディスポーザブルのカップを片手に立ち飲みです。 仕事の話か、週末の予定の話か。 どの店もこんな風に『働くおじさん』で溢れ返り、盛り上っています。







ホテルまでの通り道、Temple Barにある「Temple Bar」というバー。 Sir William Temple という大金持ちが所有して、芸術や文化の振興に力を注いだ地域です。 因みにこの"bar"は海や川の砂洲の意味の"bar"で、偶然にも呑み屋の"bar"と一緒です。 ちょっとダジャレみたい。 古くからある繁華街だと思っていましたが、もともとは芸術振興地区みたいなエリアで、今でもアート系文化機関が多く集まっているそうです。 そういえば、演劇スタジオだったり、アート系のNPOのサインを沢山見ます。昨晩夜遅くにワインを呑ませてくれたカフェの近くにもアート系NPOはあったし、今日もその近くに行ったけど、インディペンデントのジュエリーデザイナーショップとか、画廊とかがありました。 何よりも、そうだ! 泊まってるホテルはヘンデル縁のホテルだし。 何だか妙に納得です。 とは言え、今は夜ともなれば、陽気な人々が集うバーエリアですが。



Temple Barの壁に飾ってある Sir William Temple のレリーフと様々な音楽的なオーナメント





最後の夕食はきちんとしっかり、そしてアイリッシュ・フードとアイリッシュ・ミュージックで〆よう! と、今日あちこちで"Highly recommendedでauthenticなTraditional Irish Foodが食べられるパブはどこですか?" と質問してみたところ、もっとも票が集まったThe Oliver St. John Gogarty’s。なので、当然そこに行く事にし、荷物をホテルに置いて再び来た道を戻りThe Oliver St. John Gogarty’sへ。 写真を撮るのを忘れたので、Google Earthから。(便利な時代です。)




これは自分で撮りました。 Gogarty’sのバーカウンター。 以外にもざっと見たところ、アイリッシュ・ウイスキーは少なめかな?




authentic Irish food といっても、牡蠣がここでも食べられると知り、また牡蠣に行ってしまいました。 アラン島で土の代わりに石の上に敷いていたような海藻が牡蠣の下にも敷いてあります。 味は・・・・。 イケルけど、Galwayのほうが美味しいかなぁ。 あとはキャベツとかジャガイモとか、豚肉のローストとかを注文して食べました。 素朴な塩だけの味付けだけど、決して不味くない。 それは素材が美味しいからかなぁ。 イギリスが食事が不味いとよく言うでしょう。 近くにあるからアイルランドも?と思われがちですが、意外にもアイルランドは美食の国だそうです。
入ったのは18時頃だったでしょうか。 初めはちょっと混んでて、立ち飲みの人もいて、席をちょっと待って確保出来た、と言ったところでしたが、ライブミュージックが始まる頃には店内はクラブのような混み具合になってます。 トイレに行くにも店の中は通る事が出来ず、一旦外に出て別のドアから入り直さなければいけないほど店内は混んでいます。 外は外で煙草を吸う人で溢れかえっていて、店の中も外も熱気でいっぱいな感じ。 バイオリンやギターを弾き、足を踏み鳴らすアイリッシュ・ミュージックのライブは陽気で楽しいものです。 最近の曲をアイリッシュ風にアレンジしたのも面白くて、レディ・ガガのポーカーフェイスは意外にもぴったりな感じです。 リズミカルな楽曲とエンヤ的な穏やかな曲、様々織り成して、最後の夜のIrish Nightは最高に盛り上りましたよ。










店を出てほろ酔い気分で帰る Temple Barの石畳




That’s all my talk. アイルランド旅行はこれで終わります。 アイルランド4州のうち三つの州を巡ってケルトの文化を感じ、精霊と対話するような旅を満喫しました。・・・・と言い切れるにはちょっと短い旅だったかなぁ。 もっともっと古城や遺跡や緑の森や大地でピクニックしたりする時間も欲しかったかな。 というか、これで言い切って終えるほどアイルランドは小さくはない気がします。 まだまだ違う面を沢山見せてくれるはず。 大国から比べれば小さいけれど、大きな懐を持っている国、そんな心優しい国でした。今度来るときは、南のマンスター州も巡ってみたいです。 きっと、また来れるぞ、アイルランド。 (了)


● ・・・・> 『初日: ダブリン~ゴールウェイ~アラン諸島』から読む。


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by sanaegogo | 2013-08-22 00:01 | travel abroad


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