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生誕100年 岡本太郎展




生誕100年 岡本太郎展
何だこれは!
東京都国立近代美術館
2011.3.8(火) ― 5.8(日)


やはりこれは観に行っとくべきでしょう。私が岡本太郎を認識し始めたのはすでにキリンシーグラムのCMで「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」と訳の解らない事をささやいたり、MaxellのCMで「芸術は爆発だっ!」と言っている瞬きを全くしない変なおじさんの岡本太郎で、よくTVのバラエティー番組に出て変な事をさせられていた。展示にもあったが、タモリと「今夜は最高!」で対談をしていて、『犬には名前がありますか? 鳥には名前がありますか?』みたいな事をしゃべっていた映像を覚えている自分にびっくりした。(この名前とは姓名のこと) とにかくエネルギッシュで躍動的。爆発とか破壊とかに必要なエネルギーを存分に持ち合わせたお人柄だったらしい。 爆発とか破壊とか言っても、暴力的な意味ではなく、「既成概念を壊す」とか「確立されたものを乗り越える」とか、そんな意味合いでよくこの言葉をつかってたようだ。そんな風に生きるのには物凄くエネルギーが要る。そのエネルギーを蓄えながら育った太郎少年は、言わずと知れた「エキセントリックなお坊ちゃん」であり、家は裕福でありそして本人は健康だった。健康だったから故に徴兵もされて、何とシベリアで抑留までされていたらしい。当時の芸術家は食うや食わずの生活で病弱な人が多く、貧困の中で清らかであったり、あるいは屈折した精神で才能を花開かせた人も多かったけど、ちゃっちゃと徴兵されてしまうほど健康で、シベリア抑留にも堪えたほど強い体を持っていた、と言うのはいかにも岡本太郎っぽい気がした。その強靭さをエネルギーとしてぶつけたキャンパスの強い筆致には圧倒される感じがある。晩年はパーキンソン氏病と戦って、享年は84歳。100歳近くまで生きてたと言うイメージがあったので、これは意外だった。(もっとも、今が生誕100年だったら、つい最近亡くなられた事になっちゃって、矛盾するんだけど。)
何となく思うのは、岡本太郎を知る年齢がちょっと早すぎたのは残念だ、と思う。せめて彼の全盛期に自分がもう少し大人になっていたら、感じ方もだいぶ違ってたと思う。改めて今ここで、まとまった作品観たりや業績を知ったりしたけど、大阪万博の太陽の塔に始まり、青山のこどもの城などの公共作品(パブリック・アートの先駆けですね。)や数々のインダストリアルデザインなど、身近なところで話題になった作品を観る目もだいぶ違ったのではないかな、と思ったりする。とにかく、メディアやアウトプットを選ばないその精力的な制作活動は、こんなご時勢に元気を与えてくれる感じがする。岡本太郎的なものが好きか好きでないかには関わらず、「見るべし。」な生誕100年記念展です。5月8日まで。

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by sanaegogo | 2011-04-02 00:00 | art


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