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Nerhol: Slicing the Onion





[Exhibition] Nerhol: Slicing the Onion
会期 2015年7月3日(金)~7月26日(日)
会場 POST
http://post-books.info/news/2015/6/26/nerhol-slicing-the-onion


来週は行けそうになく、でも絶対見たかったので、この日の夕方駆け込みで観て来ました。
ネルホルの” Slicing the Onion”です。













Postでの個展は2012年の4月以来だそうですが、私は最近のでは、昨年の秋にIMA CONCEPT STOREとGYREで開催された “Phrase of everything”のシリーズをフィーチャーしたものを観ました。 でも、私見ですが、断然こちらの方が良いと感じます。落ち着いた気持ちで観ていられるし、「玉ねぎ」というシンプルで没個性なアイテムを題材にすることによって、ネルホルの示そうとしている事の意味や、その表現手法が解りやすく伝わって来るように感じます。 そして相反する要素の現象が1点の作品の中に凝縮されていて、玉ねぎの円らさゆえにそれがはっきりと見て取れるのが面白く感じます。玉ねぎの横方向の成長を表すスライスした断面に現れる層×それらを写した1枚1枚を重ねた束を掘り下げていく断面に現れる縦方向の層、自然発生的な成長×人為的な彫っていく作業、観察という静的な作業×シートをカットしていく動的な作業など、ただひとつの玉ねぎなのに着眼点が様々あって観ていて飽きる事を感じさせないものがあります。フォルムがシンプルだけに彫り込まれた稜線がより際立っていて、その作業の美しさにも改めて感嘆しました。 今まで観たネルホル作品は、人物の顔と対峙するという事もあるのだと思いますが、どことなくアグレッシブで言い知れぬ威圧感があったような気がしますが、このシリーズは一転してどこか穏やかで、「観察」という対象を優しく包み込むような視点が、展示されていた空間にどことなく粛々とした時間の流れを生み出しています。玉ねぎの刺激が強すぎて、眼が沁みてくる事もありません。(笑)













『日々私たちの食卓へと運ばれてくるさまざまな食物。
それらの由来は様々ですが、大量生産・大量消費を未だにベースにし続ける経済は、食物においても生産・流通・消費の様々な場面を規格化することで、その構造を支えています。
(中略)
私たちが避けがたく/知らずに加担し続ける資本主義の構造をそれとなく示唆しながらも、表象的な魅力を軽やかに担保しています。』
(Postのテキストより引用)

題材とした玉ねぎの汎用性から観る人が感じる事の許容が大きく、その空間から何を観るかの多様性も、そしてその人の感じたものを確認し合ったりするのも、この展示の奥深さを物語っているような気がしました。

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by sanaegogo | 2015-07-19 00:00 | art | Comments(0)