<   2014年 03月 ( 2 )   > この月の画像一覧
Study | Go Itami | POETIC SCAPE
e0168781_1571280.jpg


伊丹豪さんの作品と言えば、ブライトな配色の幾何学体的で不思議な画面構成の写真が持ち味だと思っていましたが、この「Study」では、その味もありつつも、その中に心象風景みたいな、言い様のない何らかの気持ちが入り込んでいるような、そんな印象を覚えました。一見幾何学的で無機質なもののレイヤーのような画面構成の中に、ふと入り込んでしまった何かの情景、そして、それにふっと持って行かれてしまう 何かの気持ち、そんな印象です。 その情景は、伊丹さんが意図的に混ぜ込んだものもあるし、ご本人も知らずに、後から写真を確認して判ったものもあるそうです。
中目黒のPOETIC SCAPE に 伊丹豪さんの 「Study」を観に行ったら、ご本人が在廊してて、土曜日だった事もあって、常連さんや顔馴染みらしき方々も色々いらしていたんですが、見かけない顔の私にも色々と作品の説明やお話をしてくれました。







今回展示されていた作品の中では 「これぞ!」という感じの1枚。 まるでケント紙にきちんとマスキングテープを貼って、色むらがないように丁寧に塗り込められたポスターカラーのような発色の赤に眼が行きます。もちろん、これは修正なしの一発撮りの作品だそうですが、パースを全く取り払っているにも関わらず、遠近感がうっすら残る風景が混在している画面は、不思議な感覚のズレを引き起こします。 その横には、橋げたの隙間から水面を写したという、作品があったのですが、それも全ての遠近感を取り払った中に残る水面揺らぎが風景の中のミクロを顕しているようで面白かったです。 その一連の展示の流れはモンドリアンの絵画を連想させました。 「写真は立体的なものを写すものなのに、全てのパースを取り払ってしまうと平面のレイヤーのようになるのが面白い。」と言うような事を語ってました。 その撮影に対峙する感覚がまさに「Study」なのですね。







私がこの展示で一番惹かれたのがこの写真。これまでは、どちらかというとピントを絞った作品を作ってきましたが、逆に絞りを開いてぼかしつつ意外なところにピントを当てるのもありかな、という試みだそうですが、これも「Study」なのですね。 鉄の手すりの上にうっすらと溜まった雨が木立の影を映していて、そこにピントを当てて撮影したそうです。 近くにピントを当てながら、それは実はそこからもっとも遠くのものにピントを当てている事になっている。 何だかとても哲学的なアプローチです。







この1枚もとても好きなのですが、暗がりの中に浮かび上がる光を集めたグラスの透明な部分とその周りに浮かぶ気泡は、まるで宇宙の深淵のような雰囲気です。 その隣の作品には夜の闇に浮かぶ星空? と思いきや、CDの盤面の傷をクローズアップで捉えたもので、そこには日常の中に宇宙を模した空間が出来上がっていて、さっきのモンドリアンのシリーズといい、写真の並びもとっても洒落てるなぁ、と。







ビー玉とそれが置かれたタオル(ラグマット?)との質感の対比。 光と影の対比。 実物を忠実に捕らえているのに、具体性は消失し、実体はどんどん抽象的になっていきます。何だろう? と自分の視覚をからかわれたような錯覚に陥るのですが、決してデフォルメされている訳でもなく、変容されている訳でもなく、ただただ、実体を極力まで忠実に捉えているのです。 それにしても、この感覚は。 伊丹さんの作品は「視る」という行為を意識させます。







伊丹さんの作品はもしかしたら、認知とか、知覚心理学とかの切り口で掘り下げたら面白いかも知れませんね。曖昧な画像を視ると人は全体像や自分の納得できる形にそのものを持っていこうと視覚や脳を働かせます。 ゲシュタルトの崩壊と再構成です。







そんな理屈はさて置いても、ただ単純に画が美しい。 この浮遊感。 どの作品も漠然としたところがなく、そこには伊丹さんの試行錯誤とチャレンジと発見が作品を彩る要素として見て取れます。 どの作品にも意図があり、何かを探求しようとする作家の姿勢が伺えます。まさに「Study」なのですね。

伊丹豪 展【study】
POETIC SCAPE
2014年2月11日(火・祝)~3月23日(日)


65000
[PR]
by sanaegogo | 2014-03-09 00:00 | art | Comments(0)
LAMA Coffeeで 天使とバンドネオン


今年はどう予測しても『貧乏暇なし』ならぬ、『貧乏にして暇もあり』の1年になりそうな気がするので、十数年(いや、数十年?)ぶりに地元密着型の生活をしてみようかな、と思っていた今日この頃。 松が、松姉の友人が茅ヶ崎で『2人展』をやるのを観に来ると言うので、お誘いいただいて私もちゃっかりと観に行ってみた。 地元にいてもなかなかどこのカフェがギャラリーをしてる、とか、ちょっと居心地の良い寛ぎ方のスペースがある、とかいうのは耳に入って来ない。 東京近郊の地方都市出身の人なら解ると思うけど、どこに住んでいても最寄の地下鉄や電車の駅の駅前エリアに所属している暮らしぶりの東京とは、ちと違うのだ。 なので、他所から来た人の方がそんなネタを持ってきてくれる事も多いのです。 なので、ぼちぼち自分でも開拓して、地元密着で行ってみようかな、と。

この日訪れたのは「LAMA Coffee」。 茅ヶ崎にある鉄砲道という道の西の起点あたりに住んでる私は、その鉄砲道をずどーーーんと辻堂方面まで行って、突き当りをちょいちょいと行ったあたりにそのカフェはあります。 古い一戸建てを改造して1階がカフェ、2階がギャラリーになっていて、そこで開催されてます 「MARUU × Black Coffee展 天使とバンドネオン」 に行って来ました。

松姉のご友人はMARUU さんで、サインペンで温かい色彩のイラストを描いています。 この日は財廊していて、いろいろお話をしてきました。 イラストや漫画やラップペーパーのパターンとかを作品にしているのですが、私が気に入ったのはこれ。


e0168781_1453332.jpg



やっぱ、オオカミでしょう。 相当気に入ってポストカードも購入させていただきました。 毛並みを描くように丁寧にサインペンで色を置いていて、その筆致がオオカミの毛並みをふわっと緻密に描き出しています。 首の周りのオオカミ独特のふくよかな毛並みは橙色、水色、黄緑色に塗られていて、ここがMARUUさんの世界ですね。 色合いがとっても可愛いです。 そして好み。 こんな茶色のセーターにこの色合いの巻物は、きっと私が着ても可愛いに違いない。と思います。 そして 水色の三白眼。 これぞオオカミです。 薔薇の花も可愛い。 ひとつひとつ 丁寧な仕事ですね。




もうひとつは、これ。 ウォッカの中の3人姉妹だそうです。 (姉妹だったかどうかは ちょっと覚えていないんですが・・・。 3人娘だったかな。) この3人をウォッカの中に入れてご機嫌を損ねずにいると美味しいウォッカになるそうです。 でも、この3人は性格がとても悪く、悪態をつくので猫はいつでも イライラとしているそうです。
4畳半ほどの2階のスペースでMARUUさんのイラスト作品と Black Coffeeさんのガラス細工が展示されてました。

展示スペースでおしゃべりの後は 階下のカフェでゆっくりとまったり。 結構いろいろなお客さんがやって来ていたりして、常連さんらしき人もいました。 私は折角なのでお店の冠がついたLAMAブレンドとスコーンを。 ちょっとシナモンが利いていて 外はサクサク、中はほっこりの美味しいスコーンでした。地元のこんなスペースで密やかに展示をするのも楽しいかもしれないですねっ!



LAMAブレンドです





2階への階段と夕暮れのカフェスペース
茅ヶ崎あたりにはありそでなさそな 雰囲気のお店です
右端に見えるテーブルは 実はミシン台で足許には懐かしの鉄の幅広いペダルもありました
ご主人は ちょっと平井堅の優しそうな子で ワタシの難関縦列駐車を見守ってくれました


LAMA Coffee & LAMA Space | http://www.lamacoffee.net/

64791
[PR]
by sanaegogo | 2014-03-08 00:00 | art | Comments(0)