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Crystallize


吉岡徳仁の「Crystallize」を観て、吉岡徳仁の世界を堪能。 その後、ミュージアムショップに行って、「Crystallize」の図録をみていたら、その時に初めて知りました。今回の図録、川内倫子さんが撮りおろしたものだったんですねー。
吉岡徳仁の作品の硬度のあるクリスタルや結晶を素材に、川内倫子がふわっとした柔らかな表現で撮る。それは、吉岡徳仁の作品でもあり、川内倫子の作品でもある贅沢な図録です。2人のともすると相反するそのマチエール(というか何というか・・・・)の融合、もしくは化学反応が眩いばかりです。 どちらも光と透明感があり、時にはほの白く、時には虹色にきらきらと、そしてじんわりと輝いています。
きっとお互いの作品にお互いがインスパイアされているんでしょうね。 認め合った作家同士のジャンルを越えた仕事という感じがとても素敵です。


Phpto: Rinko Kawauchi

≪Swan Lake≫
白鳥の湖を聞きながら、白い展示室の中で 結晶はだんだんと成長していきます。




Phpto: Rinko Kawauchi

≪ROSE≫
結晶に取り込まれ、自身も結晶になっていきそうな薔薇
かすかに確認できる色彩は 「永遠」に臨む薔薇の最期のかすかな声のようです。





≪ROSE≫
周りを取り巻いているのは、無数の白いストローで創られた≪Tornado≫。





≪Spider’s Thread≫
白い結晶は雪のように冷たくも見えるし、どことなく温かみも感じます。




Phpto: Rinko Kawauchi

≪Rainbow Church≫
クリスタルのプリズムから柔らかく溢れ出る虹の光。





≪Rainbow Church≫




Phpto: Rinko Kawauchi

≪Rainbow Chair≫
虹色の光玉。 なんて素敵・・・・。姿を変えた虹の形です。





≪Rainbow Chair≫





≪VENUS≫
パリで開催されたMaison&Objetで開催された個展でのRose。
ショパンの練習曲ハ短調作品10-12 「革命のエチュード」、「幻想即興曲」、「バラード1番」による結晶絵画





≪VENUS≫




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by sanaegogo | 2013-11-24 00:00 | art | Comments(0)
吉岡徳仁 クリスタライズ ―自然から生み出される。

「虹の教会」の中で佇む、拙シルエットです。厳かで神秘的な空間です。




最後に観たこれまでの作品やプロジェクトを紹介するムービーの中で、吉岡徳仁は、「透明なものに惹かれる」と言っていました。 きらきらとした透明感のある結晶や光学ガラス、水、ほの白いファイバーの森、かつて少女が御伽の国にあると夢見ていたような世界観を吉岡徳仁は創造しています。 けれど、男性の彼が作り出すその世界は、少女じみたところはなく、凛としていて、夢の中というよりもむしろ妙に現実感というかリアリティがあって、「創生している」と言った意思的なものを感じる不思議な感覚があります。 これは彼の創作は常に、自然界に存在するさまざまな原理を取り入れ、それを具現化する試みや考え方を基に行われているからだと言えます。 artificial だけど その根源は常にnaturalであり、naturalなartifactであるという、禅問答のようなスパイラルがそこにはあります。 「結晶」という自然現象を巧みに駆使して、自然物とも人工物とも言えない、まさに「自然から生み出されている」人工物、両者の狭間に生まれる特別な存在として、彼の作品はそこにあり、輝きを放っています。 その世界観の美しさ、透明感にうっとりしますが、それを作り出したのが吉岡徳仁という人物だというのが意識されるのか、どこか男性的で力強くもあるように感じるのは、好んで使われているmaterialが、結晶という危ういもののみならず、クリスタルや光学ガラスのような強固なものも多く用いられているからでしょうか。 子供の頃に、透明なものに妙に惹かれて、それをしげしげと覗き込んだり、形の加減でプリズムのように創り出される七色の光の虹を見るため、頭や視線を一生懸命くるくると動かしていたことを思い出します。



展覧会の構成です。

ウォーターブロック ― Water Block

このガラスのベンチは、パリのオルセー美術館の印象派の部屋にもインストールされているのは有名です。 艶やかで流麗な形のその塊は、人為的な手が一切加えられていない自然によって自然に形作られたフォルムそのものです。 これから繰り広げられる吉岡徳仁の、「自然の力は、人々に想像を超えた驚きをもたらしてきた。」という世界観を象徴するものでもあります。


白鳥の湖|結晶の絵画
― Swan Lake | Crystallize Painting

音楽を聞かせながら水槽の中で自然結晶を成長させていく、「クリスタライズド プロジェクト」。 (Crystallize = 形を与え、結実させる) チャイコフ・スキーの「白鳥の湖」の音色に呼応して形状を変化させるという結晶絵画は、自然の生み出す作為を超えた造形です。


ローズ ― Rose

赤い薔薇を覆い尽くすように成長していく「結晶」は、薔薇の生命を吸い取ってしまうがごとく形作られていきます。 雪の女王に息を吹きかけられ、凍りついてしまったかのようです。 結晶の中に閉じ込められてしまった薔薇の瀕死でかすかな色彩をみていると、ある種の「残酷」さがあったりとか、「永遠」であったりとか、色々な印象が交錯します。


蜘蛛の糸 ― Spider’s Thread

蜘蛛の糸のようにフレームの中に張られた7本の糸で空中に描き出された椅子に結晶が生成され、だんだんと椅子としてのその形を露わにしてきます。会期中徐々に成長を重ね、誰でもない自然の力によって創生されていくその椅子は、紛れもなく「万物」のなかのひとつです。


虹の教会 ― Rainbow Church

アンリ・マティスが建てた南仏のヴァンスにある「ロザリオ礼拝堂」のオマージュである「虹の教会」は500個ものクリスタルで出来たプリズムを用いて、自然光から虹を創り出しています。 そのステンドグラスの前に立つと、神聖な光で身体が包まれているような気持ちになれます。 プリズムを通して投影された自然光は七色の帯に分かれていき、自然の摂理を改めて意識する事が出来ます。 自然の生み出す「分散」が体験できます。白の濃淡や透明なもので構成された展示の中でこの虹の七色は唯一の色彩で、その色彩の純粋さが際立っているように感じられます。










レインボーチェア|レイ オブ ライト
― Rainbow Chair | Ray of Light

クリスタルプリズムからつくられた透明のベンチ。 艶やかで流れるようなフォルムのベンチに座って、ステンドグラスの窓から生み出される光の虹を眺めるていると、どこからともなくやって来た厳かな光に包まれて光と一体になっている気持ちになれます。 座っている人はみんな、代わる代わるにステンドグラスの方へ歩み寄って、注がれる光を浴びていました。








最後にこれまでのプロジェクトやデザイン作品、インスタレーションの記録をスクリーンで観て終了しますが、これは50分ほどのもので、すっかり堪能はしましたが、作品がもっと観たかったなぁ、という感じはあります。しかしながら、この「Crystallize」は吉岡徳仁の紛れもなく過去最大規模の個展で、展示の規模よりも観る人の「もっと観たい!」気持ちの方があるかに上回ってしまっているのですね。 会場を埋め尽くすようにストローが敷き詰められた圧巻のインスタレーション 「Tornado ― トルネード」からもその大規模さが垣間見られるけれど、ネットでは楽しそう(?)に設営をする吉岡さんの画像がたくさん見受けられています。 「私も設営に参加したかった」 と本気でそう思ってしまいました。



   


これはもう、"White-out"状態ですね。 遭難注意。







TOKUJIN YOSHIOKA
Crystallize
吉岡徳仁 ― クリスタライズ
東京都現代美術館 Mot
2013年10月3日[木]― 2014年1月19日[日]
Press Release





2008年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「 Second Nature 」展も、2010年 森美術館での「SENSING NATURE ネイチャーセンス」展も見逃しているので、これは本当に会期が始まる前から楽しみにしていたのです。
会期はまだまだ充分あります。 是非。


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by sanaegogo | 2013-11-23 00:00 | art | Comments(0)