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川内倫子 Let's sing a song our bodies know




川内倫子「Let's sing a song our bodies know」展
期間:2015年11月21日(土) ~ 12月13日(日)
会場:グッチ新宿 3階イベントスペース
http://www.gucci.com/jp/worldofgucci/articles/worldofgucci/articles/new-exhibit-at-shinjuku-fragship-by-rinko-kawauchi#1


川内倫子さんの作品展を観に行くのはとても久しぶりです。 今回は、新しく就任したグッチのクリエイティブ・ディレクター アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・コンセプトとして掲げる「とらえどころのない境界を表現する」というものに倫子さんが自分自身の作品作りが目指すものとの共感を覚え実現しました。倫子さんの創りだすイメージ(画像)はソフトフォーカスでじんわりと光の中に滲んでいるような印象を受けるのですが、照明を全て落として半ば暗闇となった会場の中にじんわりと浮かび上がるそれらのイメージは、大きさも様々なモニターとして会場内に点在し、心の中のどこかの空間にぽつぽつと現れた記憶の断片であるかのようでした。 幼い頃の記憶のようでもあるし、イメージの中の少女は自分自身で、夢の中で自分が自分自身の姿を見ている時のあの感覚のようなもののような気もします。主観であるのか、客観であるのか、不思議な混濁を覚えます。




光と共に浮かび上がった真っ暗な空間でのインスタレーションは、倫子さんの表現世界にとてもフィットしていました。 倫子さんの光は 眩しい光ではなく 灯火のように 湿度を持った温かみがあります。出来る事なら、断片のように散りばめられたイメージをひとつひとつ繋ぎ合わせ、ストーリーのようにも見せて欲しかったようにも思います。 誰かの見た記憶の中の風景なのか、はたまた心象風景なのか、誰の記憶なのか、そこにまたひとつの曖昧な境界が生み出されると思うし、それはまさに、とらえどころのない境界なのだと思います。




空間に浸っているうちにすんなりとその世界に自分が入り込んでいく、倫子さんの作品独特の浸透感を味わえる、そんな雰囲気に満ちていました。

≪会場風景≫




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by sanaegogo | 2015-12-06 00:00 | art


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