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「ヤッテミヨウ!」
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もうかなり昔の事ですが、読売ジャイアンツの高橋由伸選手の事を『全然好みじゃないのに何故か気になる。』と言っていたら、『それが本物の恋なのよ。』と言われた事がありました。 全く脈絡がありませんが、この赤鹿麻耶さんの「ヤッテミヨウ!」に感じた気持ちは、まさしくそんな感じかも知れません。 『全然好みじゃないのに何故か惹かれる。』です。雑誌『IMA』が主催している写真展 LUMIX MEETS TOKYO 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS 9 を観ての事です。日本で有望な若手写真家9人にフォーカスした写真展ですが、そのうちの1人が赤鹿麻耶さんで、写真展のキービジュアルになる作品『ヤッテミヨウ!』を観てまず感じた事です。
赤鹿麻耶とその友人達が、一見すると意味の無いような色々な事にチャレンジしていて、それを瑞々しく写真に納めています。 その行為の弾けんばかりの元気の良さ、溢れんばかりの好奇心が伝わって来る感じに何故か心が奪われて、思わず見入ってしまう写真でした。 私はそもそも、あまり人物は撮らないし、自分で撮るとしたらと画を想像してみても、きっと肖像画のように唐突にそこに居て、雰囲気で勝負、なんて感じになると思われます。 でもこの「ヤッテミヨウ!」は、とにかく若い世代にありがちな無意味な行動に熱中し、意味なんて考えなくたって、思いついたらやってみる! みたいなはっちゃけた馬鹿騒ぎとその中にある達成感と高揚感みたいなものが、やたらめったら弾けていて、すごい躍動感を感じます。 ストーリー性などは全く無視して、細切れで唐突な羅列で構成されている『次々と』感がまた良いんです。 それに「ヤッテミヨウ!」というタイトルを付けたのがまた絶妙だと思いました。 このシリーズのタイトルが「ヤッテミヨウ!」でなければ、こんなに引っかかる事は無かったように思います。 端的にして軽妙。 いいですねぇ。 どんぴしゃ、な感じがします。 この写真のフォーマットもいいんですよね。画面の構成にばっちり合っていて、上手いなぁ、と思いました。 わざとらしさなく、最もダイナミックに見えるところで切り取られてます。 水中で息を止めて苦しそうな女子軍団の表情に水面の揺らぎが画面に動的な雰囲気を与えてて、微笑ましくさえあります。 色もとってもクリアでキレイ。 定型でないフォーマットが自由な感じをよりいっそう強くしているようです。 自分とは全く違う世界観だけど、とっても納得してしまいました。


LUMIX MEETS
TOKYO 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS 9
会場:代官山 ヒルサイドフォーラム
会期:2013年11月23日 - 12月1日
参加フォトグラファー:
  • 赤鹿麻耶
  • 伊丹豪
  • うつゆみこ
  • Kosuke
  • 濱田祐史
  • 水谷吉法
  • 山本渉
  • 横田大輔
  • 吉田和生







  • ≪ 会場での「ヤッテミヨウ!」 展示風景です ≫


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    by sanaegogo | 2013-12-04 00:00 | art


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