HARA MUSEUM ARC <ハラ ミュージアム アーク>
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ここ1、2年の話ですが、地方都市の美術館に足を運ぶのにハマッています。恐らくその先駆けとなったのは、2012年の金沢21世紀美術館でしょうか。2009年、2010年、2011年と長年お世話になった勤務先の会社から退職してもなお、大きなやり甲斐のある仕事に参画させてもらって、特に2011年の秋に終了した世界建築家協会の世界大会の仕事は、在職中から関心があって、辞める時に『これに関われない事だけが残念だ』と思った案件だったので、それが終了してこれからの事を考えた時、自分はどうしたくてあの社での会社員を辞めたのか、どうなりたいと考えてたのか、をもう一度見つめ直す意味でも、その原点とも言えるべき金沢21世紀美術館に足を運んでじっくり考えてみよう、と思ったのがその始まりかも知れないですね。 2012年はあまり積極的には希望しないまま惰性のようにその年の最大級の仕事に参画するも、『やっぱりこれではない。』と。その夏に強行軍で行った越後妻有トリエンナーレ、契約終了後に訪れた直島・豊島・犬島。この時には既に完全にハマッていたような気がします。今年の4月に仙台メディアテークに行き、そしてこの度は、(前置きが長くなりましたが)、群馬県伊香保にある ハラ ミュージアム アーク(HARA MUSEUM ARC) に行って来ました。ここは、『行ってみたい!』と言う希望というよりは、ソフィ・カルの『限局性激痛』の鑑賞ツアーで原美術館がバスを出している事を知り、隣にある伊香保グリーンパークにも立ち寄れるというので、ピクニック気分でいそいそと行って来ました。
ハラ ミュージアム アークは1988年に原美術館の別館として建てられた磯崎新の設計による個性的な建築です。東京ではコンテンポラリーをコレクションの主とする原美術館ですが、2008年にはアークに和風の特別展示室「觀海庵」を増築し東洋の古美術もコレクションしていて、それは「原六郎コレクション」と呼ばれているそうです。この期間はこの觀海庵で特別に現代美術の展示も行っていて、東洋建築の粋を集めたような書院造の空間で現代美術だけの展示が行われていた特別な期間だったのですが、私たちは伊香保グリーンパークに牧用犬が羊を自在にまとめて操るSheep Dog Showを観に行ってしまい、残念ながらこのツアーまで参加する事は出来ませんでした。(時間が足りないっ!)

古/今 書院でみる現代美術 原美術館コレクション展
2013年5月31日(金) ― 6月26日(水)
特別展示室 觀海庵

もしこっちに行ってたら、奈良美智、名和晃平、アニッシュ・カープア、杉元博司、ロスコ、青木野枝など(抜粋)がみられたそうで、それもみてみたかったなー、とは思いましたが、結構時間がタイトではありました。
ハラ ミュージアム アークは、公共の建造物としては珍しい木造で造られていて、外観は漆黒の重厚な輝きを携えていて、開放的な緑の広々とした空間にその建物は一際映えています。ギャラリーA・B・Cが放射状に並んでいて、広々とした庭の対面には品川の原美術館にもあるカフェ・ダールが明るい庭に面して配置されていて、庭園にはいくつかの屋外作品が展示されています。 休日だというのに混み合うこともなく、閑散としすぎることもなく、程よく人々が鑑賞しています。美術館全体がなんとも贅沢な空間になっています。ランチはカフェ・ダールでとりました。よく晴れていてカラッとしたお天気だったこともあり、私はあまりの気持ちの良さにパスタのランチに加えシードルを注文。 ソフィ・カルを観終わった後に庭を眺めながら、スキッとした味わいのシードルと少し柔らかめ(フレンチ風?)のパスタを食べて、暫し寛ぎました。
恒久展示のご紹介を少し。


 ジャン=ミシェル オトニエル
「Kokoro」 2009年

美術館の正面エントランスの前に設置してあります。
大きな赤いハートのオブジェですが、気がつけば、作品名は「Kokoro」(心)。
これ、作家がつけたんでしょうか。 何で日本語なんでしょうね。
英語でHeartは、心臓という意味を持ちますが、日本語でハートというとやはり、「心」の意味になるから、ハートの形のオブジェの顕したいものはやっぱり、「心」だったんでしょうか。 形とその意味と名称はとても奥深い関係を持っています。


 アンディ ウォーホール
「キャンベルズ トマト スープ」 1981年

ウォーホールが顕したかったのは、「今の世の中」。
日常で使われている様々ものも、ただの消費物として見るだけでなく、ちょっと手を加えるとがらりと視点が変わり、作品となり得るという事を示しています。
毎日工場で大量生産される消費物。これこそが現代社会の象徴で、象徴的なものはどんなものでもアートとなり得る。 それが、アンディー・ウォーホールが目指した表現でした。


 オラファー エリアソン
「SUNSPACE FOR SHIBUKAWA」 2009年

この作品は ハラ ミュージアム アークのために作られたもので、赤城山を臨む絶好の位置に配置された虹を作る装置です。太陽光が内部に差し込むとプリズムレンズによって虹が映し出される”空間と光の体験”が出来る作品です。
季節によって、時間によって、天候によって、現れる虹はいつも同じ表情ではありません。人工的に生み出されたものでありながら、大きく言えば自然の摂理によって影響されているこの世の中と連動した現象です。大らかな伊香保の自然を凝縮したような現象を体験できる訳です。

他にも数々ありましたが、印象に残ったもの(と言うか、写真を撮影したもの)をピックアップしました。


9時半に東京を出発し、もうそろそろ帰る時間。 あっと言う間です。今度は自分の愛車で来てもいいなぁ、とちらっと思いましたが、そしたらシードルやワインは呑めないもんね。そう言う意味では、バスツアーはとても有効な手立てです。都市の中の大きな美術館とは違って、美術館自体をひとつの作品と呼べるような空間で過す事は、とても贅沢な事で、まだまだ行きたいところはあります。 (日本全国 行く価値のある美術館11選 ) これから時間をかけてゆっくり回りたいと思ってます。



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by sanaegogo | 2013-06-08 00:01 | art | Comments(0)


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