仙台メディアテーク


2012年の仕事でさんざん足を運んだ仙台にこんな形で再び訪れることになるとは、ゆめゆめ思いませんでしたが、酔狂が高じて、仙台メディアテークで行われた 国立デザイン美術館をつくる会 第2回シンポジウム 「こんなデザイン美術館をつくりたい!」に行ってまいりましたよ。 第1回はミッドタウンホールで開催されたのですが、第2回目はここ仙台メディアテークが会場です。"国立デザインミュージアムをつくる"という「国立(National)」というくらいですから、国と行政を巻き込んだ大事業の歩みを発足の時から見られると言ったようなことはあまり機会がないので、来し方行く末を見届けてみたい、という気持ちに駆られ、パブリック・シンポジウムの全回参加を目指しています。・・・・と、いうのも大いにあるのですが、今回わざわざの参加を決めたのは、仙台メディアテークを見てみたかったというのも大いにあります。仙台メディアテークは、2000年に竣工し、2001年開館した建築家伊東豊雄の設計(デザイン)による建築です。伊東豊雄さんは、このメディアテークなどの設計が世界的に評価されて昨年2013年にプリツカー賞を受賞されています。更に、メディアテーク自体に訪れて、実際に見てみたかったというのもありますが、今回の第2回シンポジウムでは、伊東豊雄さんご本人が登壇されるというので、それも目的のひとつとして大いにありました。(あとは終了後の牛タンでしょうか。大いに。)
メディアテーク(mediatheque)という名称は造語で、親戚にあたる言葉で何となくお馴染みなのは、ディスコティーク(discotheque)でしょうか。これは、フランス語が語源で、『disc(o)‐「レコードの」+bibliothèque「図書館」』だそうです。メディアテークはというと、「メディアの」+「図書館」。そう、仙台メディアテークは基本的には「図書館」だったのです。私はここがアートスペースだとばかり思っていたので、これはちょっと少なからず衝撃でした。『図書館だったんだぁ・・・・。』、と。そしてその仙台市図書館は、それはそれは素晴らしく素敵でした。あんな素敵な図書館を持っていると言うだけで、仙台市は自分達の文化的水準の高さを自慢してよいと思います。そして、『デザイン・マインド』を持っているという事も。勿論、図書館以外にも、今回シンポジウムを行ったような多目的なスペースや志賀理江子の「螺旋海岸」が開催されていたギャラリースペースもあります。ギャラリーやシアター、メディアを活用できるスタジオが、各メディアを媒体としてアーカイヴされている情報を閲覧できるライブラリー機能と混在している訳です。(仙台メディアテークの理念・サービス:http://www.smt.jp/smt/about/idea/) 施設内に設置されているちょっとしたベンチ、DVD閲覧用のカウンター、学習スペースなどもとてもスタイリッシュでデザイン性に優れていて観て回るのも楽しくなります。 この時、デザイン性とは文字通り見た目と機能両面においてです。ホントに地元自慢の公共施設ですね。メディアテークの周辺にはアートやデザイン系のお店もどんどん集まって来ているそうです。まさに、ひとつの秀逸な外観と機能を持つ建築物が地域の人々のデザイン・マインドを刺激して、波紋のように広がって行く様をみている感じがします。そんな意味からすると、第2回シンポジウムがここで行われたのはとても理に適った事なのかも知れません。
個人的な話では、設計者の伊東豊雄さんとは2011年に東京国際フォーラムで行われたUIA2011でご一緒させていただきました。『ご一緒』といっても、方やホールAで行われたテーマセッションとUIAワークプログラムという所謂専門家向けの講演の登壇者。大会全体では最も敬意を払われる登壇者のひとり。方や私はそれをコーディネートするいち運営コーディネーターだったのですが、(コーディネーターは壇上でセッションの進行を取りまとめる人という意味もありますが、私はただの講演の運営を準備調整する人です。)、舞台袖で拝見する伊東さんの優しい感じのお人柄に触れ、美しいプレゼン資料を拝見し、すっかりファンになってしまった次第です。
仙台メディアテークは、日本が欧州や北南米に負けないような、地域の文化水準を高め、バックグラウンドを固めていく中心地となり得るような夢を背負っているような気がします。それが東京ではなくて、地方都市だからこそ、なおよい。伊東さんは建物のみならず、市民や子供たちが知らず知らずのうちに、敷居の高いものとは感じずに、アートやデザインに触れ素養として身に付けていけるような環境をも作り出しているのですね。東京にはもう沢山そんな場所があるのかも知れないけど、東京じゃなくたって身近にこんな素晴らしい市民の憩いの場所があるなんて、仙台市民、羨ましい気がしました。北欧デザインのような洒落たベンチでお弁当を食べながら、楽しそうに借りてきた本についてあれこれ話している中学生の姿が印象的でした。
(肝心のシンポジウムについて話す前に、かなりの文量を割いてしまったので、シンポジウムの内容については、改めてお届けすることとします。)

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この日は何と、仙台は雪が降っていたんですが、シンポジウムが終わる頃はすっかり青空で、
メディアテークに映った空が素晴らしく澄み渡り、青々と眼に眩しかったです。




シンポジウム会場の椅子。
スタッキングチェアにも こんなデザインが施してあって、心憎いばかりです。


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by sanaegogo | 2013-04-21 00:00 | activity | Comments(0)


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