写真の視点から解き明かすフェルメール絵画の秘密
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フェルメール風。と言うか、どっちかと言うとレンブラント、でしょうか。

もうかなりのバックデートになるんですが、TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHYの72Galleryでやった「写真の視点から解き明かすフェルメール絵画の秘密」と言うのを聞きに行ったので、その事もちゃんと書いておくことにします。講師は美術家で版画家で写真もやる北川健次さん。この方の事は失礼ながら存じあげていなかったのですが、クリストにオブジェ作品を誉められていたり(1993年)、ランボーを主題とした作品で、フランスで開催された展覧会にピカソ、クレー、ミロ、ジャコメッティ、 ジム・ダイン、メープルソープなどと並んで選出されたり(2008年)その実績は素晴らしい方のようです。
私は、絵画と写真を横断的に縦断的に扱った感じの話が好きなんですが、これもフェルメールを写真の視点から解き明かす、と銘打っていて、ちょっと関心を寄せた訳です。フェルメールはカメラの眼を持つ画家みたいな事をよく言われますが、ライティングの手法もはっきり確立されていない頃からまるでスタジオで撮影した写真のような絵画を残してますよね。事実、(このトークに行ってはっきり意識したのですが)、フェルメールの書いている室内は左に窓があり、そこから光が当たり、室内に色々な影や光のハレーションを起こしているのが圧倒的に多いんですよね。あの部屋はアトリエと言うか、フェルメールにとってスタジオだったんですね。
実は、話としては(氏の人柄もあり)とても面白かったのですが、期待したものとは内容が少し違っている気がして、で、今までここにアップもせずスルーしていたのですが、先日脳科学者の茂木健一郎氏がやはりフェルメール絵画について語っていて、その判り(解り)やすい話を聞いて、北川氏の言わんとしていた事が見えてきた、と言う次第で・・・・。北川さんは福井県の出身のようなのですが、こんな事を言っては何なのですが、独特のイントネーションでお話になり、あまり言葉が頭の中に入ってこなかったんですよね。あと、四方山話的に挿入されるエピソードと言うかコネタがあまりにも面白くて、話がどんどん膨らみ、流れ、色々楽しい話も伺えました。でも、それが本題をみっちりと言う感じではなくなってしまった要因のひとつとも言えるのですが、ま、総じて話は面白かったです。結局、物凄く要約してしまうと、フェルメールは写真で言うと常にピントが微妙にボケている状態を画面に描いていて、それを人間の生理行動としてピントを合わせて視ようと集中するところに、彼の画が人を惹き付ける要因があると言うのです。(北川さんの言いたかったこの結論は茂木さんが端的に解説していました。) フェルメールは、カメラで言うとピントを画面より前にズラシたところで合わせた画を描いているので、その場合、カメラだとボケが生じたところに光玉が出来るその場所に、ちゃんと光玉を描いていると言うのです。 なるほど、よく視てみると白い絵の具を使って、光の玉をチラチラと散りばめたりしています。 つまり、写真の原理で画を描いているんですね、やっぱり。 トークではフェルメールがカメラオブスクラを使用していたかどうかを実証と言うか体験するために実際にカメラオブスクラを覗かせてもらって、フェルメールが見たであろうその装置を通した時の光の神秘性を体験したりしたんですが、みな装置自体に盛り上がってしまったりしました。
実はそのトークの前に展示してある北側氏の写真を観ていたら、『今日の参加者ですか? 作者です。』とご本人に話しかけられたんですね。で、色々と話していて話の流れで、私が、『カメラの事はあまり詳しくないんです。』と言うフレーズを言うに至ったんですね。その後、氏がギャラリーの人に『今日は写真を撮る人どの位くるの?』と訊ねていたのを小耳に挟んだので、直前で話そうとしていた内容を変えたのかもしれません。写真撮らない人だと思われてしまったのね、きっと。
とは言え、このカメラオブスクラ体験と氏の話は面白かったのは間違いはないです。ただ、私はライティングの事とか、もっと聴きたかったんですね。





ご存知 ≪真珠の耳飾の少女≫です。
画面のあちこちに「白い光玉」描かれていますよね。
これは、真珠や眼が光に反射した時のハレーションぽいから、比較的判りやすいですよね。




これは、≪レースを編む女≫
これもなかなかファンの多い作品です。




これなんかは今まで何度も観てたけど気がつかなかったのですが、レースを編むその鈎針のところとか、
ちょっと光沢のあるような布の上とか、女の襟元とか、さりげなく「白い光玉」が描かれていてます。



これは、≪牛乳を注ぐ女≫
フェルメールを有名にした作品のひとつですよね。




この画はパンのところに「白い光玉」満載だそうなんですが、
ネットから画像をもらう限りでは、皆サイズが小さいので、そこまではつぶさに判りませんね。
(そもそもフェルメールは実際の画のサイズもかなり小さいから・・・・。)




話がどんどん流れていって別の話題にすり替わっていったひとつのトピックとして、この画のこの部分。
ただの壁のシミ・汚れなんですが、何だか海辺の風景がのようではないですか?
何でもダリ作のこの画にそっくりな画があるそうで、氏はしきりに、
『ダリはこの画のこの部分を知っていたに違いない。それであの画を描いたのだ。』
と熱く語っていました。画の題名もきちんとおっしゃっていたのですが、
その福井のイントネーションで自分の知らない言葉だったので、
頭の中で耳から聞いた音(声)が文字として再生されなかったのです。
何て言ってたんだろう。 調べようとしてたんだけど、調べようがありませんでした。


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by sanaegogo | 2013-02-10 00:00 | activity | Comments(0)


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