レ・ミゼラブル (Les Misérables)


明けまして おめでとうございます! 2013

また新しい1年が始まりました。来るべき1年が 良き年となるよう 願っています。
という訳で、今年もまた 地元の友人と恒例になっている 元旦レイトショーに行って参りました。 昨年はガス・ヴァン・サント監督の「永遠の僕たち」でした。生と死を題材とした若者のラブストーリーで、新年早々「生きていく事 死んでいく事」なんてを考えた作品でしたが、今年は年末に封切られた超話題作の「レ・ミゼラブル」を堂々チョイス! 「これからも生きていく事 しかも骨太に」なんてメッセージをもらってきました。

レ・ミゼラブル (Les Misérables)
監督: トム・フーパー (Tom Hooper)
原作: ヴィクトル・ユーゴー (Victor‐Marie Hugo) (1862)

小説の邦題は言わずと知れた『ああ 無情』ですが、今では子供の頃読んだ少年少女名作物語のような原題以外で『ああ 無情』と言うのを見る事はなくなっています。 それもこれもブロードウェイのミュージカルが余りにも有名すぎる影響でしょうね。 邦題『ああ 無情』から連想すると、世の中の無情に嘆くか弱い人々の失望に満ち満ちた世の中の不条理を描いた救いようのない作品のように思えてしまうのですが、ご存知の通り、この物語は明日への希望を胸に抱き、自分を奮い立たせ生き抜いていく登場人物たちが描かれていて、観る人に困難に立ち向かう勇気と生きる希望、そして信念、人は何度でもやり直せる、と言う事を伝えています。しかしながら、劇中、運命の波に呑み込まれて失意のままに散っていく命とのコントラストは強烈です。でもそこには、今のある程度平和な世の中の勝ち組とか負け組みとかの尺度では軽々に測りきれない、時代のうねりの激しさがあるのです。でもでも、今だって決して生き易い世の中ではありません。そんな今日この頃だからこそ、このストーリーを観て、少なからず自分を重ね合わせて、勇気を貰う人も多いのではないでしょうか。
物語は不朽の名作、これまでもミュージカルでは幾度もロングランを記録、となれば、映画としては注目すべきはその配役の豪華さと演技力、そしてミュージカルの舞台俳優に勝るとも劣らない、いえいえ、引けをとらない俳優陣の歌唱力でしょう。それはまあ、どの役も素晴らしかったです。主人公ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンはブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ボーイ・フロム・オズ』でトニー賞 ミュージカル主演男優賞を受賞しているそうですね。 そして、ジャベール警部を演じたラッセル・クロウがまた妙に唄が上手いんです。唄い方が妙にこなれていて、声もいいんです。まるでポップシンガーの唄うロートーンの弾き語りのようで、凄く意外で驚いたんですが、ラッセル・クロウは若かりし頃ロックバンドを組んでいて、シングルをリリースした事もあるそうです。ジャン・バルジャンを執拗に追いたて、彼自身の正義感に迷いと疑問を感じるジャベールの内なる葛藤をその歌唱力で存分にあらわしていました。 何でも今回は、劇中の全ての歌をアフレコではなく実際に歌いながら演技して、それを生で撮影したらしいです。(これももはや、誰もが知るところのエピソードだと思いますが・・・・。) 実はワタクシ、(舞台はOKなのですが)ミュージカル"映画"が苦手で、これまでも話題作を敬遠してきました。唄が終わって唐突に現実の会話や振る舞いに唐突に切り替わるあの瞬間が何とも気恥ずかしい感じがする、と言う人は案外多いのではないでしょうか。でもこの作品は全編セリフが全て歌唱によるものなので、まるで「動く歩道の終点」のような唐突に流れが変化する感じがなくて、すんなり引き込まれる事が出来ました。 (が、これって昨今のミュージカル映画では当たり前なのでしょうか。余り観てないからその辺は詳しくないのですが。)
ワタシは残念ながらミュージカルの舞台は観ていなかったのですが、映画のカメラワークだったからこそ舞台では表現できない世界が描かれていたと思います。 奥行きのある映像、パリの街の俯瞰、配役のアップなどは、舞台では決して観ることの出来ない、首筋の張りや表情は圧巻でした。 特にアン・ハサウェイのくだり。彼女、頑張りましたね。 凄く良かったです。空間の広がりも、寄った画も、より一層の臨場感を創り出していて、あっと言う間の2時間半でした。
原作、その後のミュージカルの評判の大きさに臆する事なく、超大作に真っ向から正攻法で取り組んだ、大作を題材とした作品らしい堂々とした映画だと思います。そこから溢れ出すこれからを生きていく勇気や希望へのメッセージを斜に構える事なしに受け取りつつ、新年にあたって、自分にとって刺激的な原動力になった気がします。

e0168781_259432.jpgDo you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!
When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!


この唄を聴くと 何だか 自分の中にも力が沸いてくる感じがしますよね。

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by sanaegogo | 2013-01-01 00:00 | movie | Comments(0)


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