大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012
今、新潟で行われている『越後妻有トリエンナーレ 大地の芸術祭』に行って来ました。速報その他はFacebookで何度も書かせていただいてますので、今日はアルバム的なものを・・・。

大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2012
7.29 SUN-9.17 MON

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレは、2000年から新潟県越後妻有地域(十日町市、津南町)で開催されている世界最大規模の国際芸術祭です。『世界最大規模』と言うのは恐らくそのカバーしている地域の広大さから言われていることだろうと推察出来るのですが、とにかく広い。 全部見ようとすると多分泊りがけでないと無理。十日町、津南町のその周辺のエリアに沢山の作品が展示されていて、結果参加した作家の数も『世界最大規模』と言う事になるんだと思う。 「人間は自然に内包される」を理念に、点在して孤立しがちな山間の集落をネックッレスのようにつなぎ合わせて、過疎化した集落単体では出来ない繋がりのようなものを目指して継続的な地域の活性化をアーティストと地域住民が協働する事によって図って行こう!と言う取り組みです。(一昔前に流行ったですが、”sustainability”ですね。)提唱したのは当時新潟県知事だった平山征夫さん。(ワタシはこれを耳で聴いて、『もしかして、平山郁夫? そんな事もやってたんだ。すげー。』と思いましたが、それは誤解だったようです。) 総合ディレクターは北川フラムさん。2008年から代官山AITに通ってましたが、そこでの講師としてお話を伺った機会もありました。 2009年の前回はAITからのツアーの募集とかもあったんですが、正直あまりピンと来ず。 今年は何で、と言う事もなく自然と心が『行ってみたいなー。』と言うのに傾いて、訪れてみると。 盛り上がっていました。ワタシの周りの友人・知人達も結構な数の人が足を運んでいるようです。(FBも盛り上がってたなぁ。) 学生さん、リタイアしたらしきご夫婦、奥様同士の一行、いかにもアート業界関係者らしき人、どのくらい皆さんがコンテンポラリーのアート作品に理解があるかはまちまちでしょうけど、関心が高まっているのは確かでしょう。 敷居の高くないこのような機会が増えて、構える事なく自然体で、大自然の中で、それに溶け込んだ作品達を観て何かを感じる。人それぞれに自由に。地元の人たちも、そりゃ、以前は反発もあったようですが、結果、多くの人々が訪れる事となり、『都会の人は何を考えているのか解らん。』と言ったような拒否反応は、今ではあまり無いそうです。 土壌と風土と生活にこんな風に自然と溶け込んでいくパブリックアートが土地の人にも観に行く人にも受け容れられるような、そんな動きが各地でも加速しているようですね。

さて、それでは、ツアー的にご紹介をしていきたいと思います!


この地域は中越地震後、過疎化が急速に進み、おびただしい数の廃校と空き家を生み出してしまったそうですが、大地の芸術祭は『廃校プロジェクト』とも言われていて、今では使われなくなった廃校に作品を設置しているところが多くあります。


『絵本と木の実の美術館』の裏手にあった井戸と水の流れる竹の水路。この水の滴っている竹の樋も作品のひとつで、この日は暑かったので滴り落ちる水滴を見ているだけでも目に涼しく清々しかったです。


廃校の教室に出来ていたカフェ。 オーガニックで美味しそうなメニューが揃ってました。


『(作品名が分からなくなってしまったのですが。)』使われなくなった農家の中に、昔住まう人がいた頃に使われていた農機具や家具が砂に埋もれて配置されていて、切なさを醸し出してます。


流し台から臨む屋外の風景。 夏景色ですねぇ。


『名が山写真館』これも古民家再生の作品です。中では訪れた人の遺影を撮影してくれます。 今この時に自分が生きていた証としての遺影だそうです。壁には一面に訪れた人のポートレイト(あ、『遺影』ですね。)が飾られています。


今では越後妻有の顔となった、まつだい農舞台にあるイリヤ&エミリア・カバコフ『棚田』。です。写真ではよく見かけていたのですが、思った以上に風景と溶け込んでいて、土地の風景と作品が調和した顔となる作品として扱われるようになったのも頷ける感じ。それと対照的に、全く周囲の雰囲気と溶け込む事なく異彩を放っていたのが、これ、草間彌生の『花咲ける妻有』。これはこれで、この存在感はあっぱれです。


作品の間を歩いているとこんな風景によく出逢います。 こんなに広々とした緑のカーペットは、ワタシの日常ではもうあまり見かけなくなったけど、ここではこれが日常なんですね。


黄色い花が至る所に咲いてました。今回2012年のウェブサイトのバナーにもなっていた石川直樹風に撮影。


『ブランコの家』と『BankART妻有』。 『ブランコの家』は、当時ここに住んでいた3姉妹のエピソードを作家が聞き取りをして、その思い出を再現した、と言うコンセプト。古い農家に淀むように漂うノスタルジックな感じが何とも言えない風情でした。古い農家って、住むには不便そうな感じでインフラも全然整っていないのですが、独特の使い勝手と言うか、あがりはなの造りとか、唐突な階段の在り方とか、間取りの不思議さとか、見ていて飽きないし、不便さの中に見え隠れした凛として毅然とした生活する決意みたいなものが見てとれて、何だか好きなのです。




星峠から臨む棚田。ここ松代は棚田の里としても知られていて、沢山の棚田を見ることが出来ます。これが観たくて訪れた事もあり、大満足の風景でした。


『コロッケハウス』は、これも昔の農家全体に吹き付けを施していて、それがコロッケの衣みたいのなので、コロッケハウス、だそうです。(何だか、逆説的ですが、作品のネーミング、タイトルの重要性を感じるような・・・・・。)


『脱皮する家』これは、日藝の有志が長い作業時間を要して家の中全て、床も梁も天井も全て鑿を入れて内側に眠るものを再生させた、と言うもの。なので『脱皮』。この家もそうですが、廃屋となったこの辺りの農家はどれも小振りで狭い家屋を上手に使って住みなしていたんだろうな、と察せます。 住んでた人の生活の工夫とかが想像できて、そんな風に古民家を見るのも楽しいものです。


越後妻有里山現代美術館[キナーレ]の中庭に展示されているボルタンスキーのNo Man’s Land。これは今回の目玉でしょうね。これは「誰のものでもない、誰もいない土地」と言う意味で、2010年にパリ・グランパレで展示された作品を膨らませたものです。東日本大震災、長野県北部地震で被害を受けた東北・越後妻有の被災地をボルタンスキー自身が実際に歩き、その体験を通して再構想されたものです。
ボルタンスキーは松之山地区に『最後の教室』と言う作品も出していて、これも人気が高く見てきたかったんですが、何せ、ワタシの廻った松代とは距離が離れすぎていて・・・。そう言う意味では、タレルの『光の家』も見逃してます。 機会があったら是非これらも行って見たいけど、トリエンナーレが終わったら見られなくなっちゃうのかな。 会期9月17日までです。

全作品リストはこちら・・・・> http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/#!/

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by sanaegogo | 2012-09-10 00:00 | art | Comments(0)


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