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MOMAT 「夏の家」


今、近美こと東京国立近代美術館の前庭で行われている「夏の家」。日中はまだまだ暑いこの時期、夕涼みにはおススメです。 ・・・・と言っても、22時までの開放は昨日までだったんですが。

夏の家
MOMAT Pavilion designed and built by Studio Mumbai
2012年8月26日(日)―2013年1月14日(月・祝)

ワタシの行ったこの日は竣工式だったのですが、それまでは実際インドから大工さんが来て、この前庭で施工の様子を見ることが出来たそうです。 日本の夏は湿度が高くて暑っいんですが、本場インドの大工さんにとっては、子供騙し、朝飯前な感じで、こんな暑さはものともせずに仕事をしていた事でしょう。竣工式のあったこの日は、訪れた人に日本式に樽酒も振舞われ、大工さんも関係者と一緒に記念写真に納まってました。 22時まで開放されているのは9月8日(土)までなのですが、9月13日(木)から29日(土)までの、毎週木・金・土は21:00までやっているそうなので、夕涼みのチャンスを逃した人は、是非行ってみてください。「夏の家」がやってる夏の期間は、「BEER MOMAT」なる屋台も出てまして、そこで仕入れた飲み物や食べ物を夏の家に持ち込むのもOK。 この日は鎌倉山で栽培してると言うホーリーバジルの入ったモヒートも出ていて、「やっぱ、モヒートでしょう!」と、空きっ腹に日本酒に加えてモヒートを2杯。(日本酒はともかくとして)蒸し暑い夏の夕べにモヒートはベストマッチ、と言うものでしょう!
さて、この「夏の家」は近代美術館の開館60周年記念企画として、インド人大工さんの手によって美術館の前庭に東屋を建てて、憩いの場として開放する、と言うものです。設計・施工を担当するのは、インド人建築家ビジョイ・ジェインがムンバイに設立した、大工職人と設計者による、設計から施工まで一括して手掛ける建築事務所のスタジオ・ムンバイ。彼らは、設計図や建築図面と言うよりは、スケッチや実際のモックアップを繰り返しながら職人や芸術家達と何度も検討を重ねて、そのプロセスでデザインが出来上がっていくと言う独自のスタイルを持ち、それを実践しています。独自の建材を作り出し、それを利用して、設計図無しで考えながら継ぎ足し継ぎ足しで工夫しながら家を作りあげていく様子は、今では半ば死語になってしまった戦後日本の『バラック』の手法と大きく共通するところがあり、実際、スタジオ・ムンバイは関東大震災や戦後の日本のバラックの調査に大きな感銘を覚えたそうです。スラムドッグ$ミリオネアで日本の人の知るところとなったインド ムンバイのバラックと、混沌としていた震災後や戦後の日本のバラックの理念みたいなものがどこか何かで繋がっていると言うのは興味深いハナシです。 だいたい、バラックを建築の一手法と捉えること自体が、自分にとって目から鱗と言うか、斬新な感じがしました。 バラックは「仕方のない」状況から生まれた「仕方のない」必要に迫られた住まいと言う成り立ちだけな訳ではなく、工夫と試行錯誤を重ねた上に生まれた究極の自分仕様のカスタマイズなのですね。
この日は午前中から激しい雨と晴れ間が繰り返すようなお天気でしたが、「夏の家」に着いて竣工式のお酒をいただいたり、そこに居合わせた何人かの方々とお話をしたり、BEER MOMATのモスキートをブランコに揺れられながらくぴくぴとやっていたら、ざざざーーっと雨が。Showerです。 近くにいたスタジオ・ムンバイのビジョイさん(ちょっとリチャード・ギア似)と「インドのモンスーンのようだねー。」と言って盛りあがりました。 「竣工式にこんな事まで計画してたのかい?」なんてねー。 (ビジョイさん、写真左側の白いシャツの方です。 インドの方は本当に白が良くお似合いで・・・・。)
9月15日は「夏の家」にあるお月見台でお月見会も企画されているようです。
当日は下弦の月のようですが、写真家の中村綾緒さんによる「あつめたひかりをそらにかえす」と言うコンセプトの屋外映像投影やBEER MOMATの特別メニューなどが楽しめるようです。
日時:9月15日 18:00-21:00 (雨天順延)
段々と秋の夜長も気持ちいい季節になってきます。私ももう一回行ってみたいな。

今後の様子はブログで随時公開されます。 関心がある方は是非!
http://www.momat.go.jp/momat60/studiomumbai/

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by sanaegogo | 2012-09-01 00:00 | art


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