大森克己 「すべては初めて起こる」

POLA MUSEUM ANNEX
大森克己写真展 すべては初めて起こる
2011年12月15日(木) ― 2012年1月29日(日)
11:00‐20:00

2011年の春、大森は、自らの住まいや仕事場付近から福島へと旅に出て、桜をフィルムに収めました。ランダムに入る淡いピンクの光は、その桜が、もっというなら世界が、初めて体験することの集積であるということを静かに告げています。

大森克己による4年ぶりの東京での展覧会『すべては初めて起こる』は、当然のようでいて忘れているそのことを、改めて噛みしめる機会となるはずです。

(ポーラ美術館 アネックスのWebsiteより)




ある時この、桜の小道にピンクの光の玉が写り込んでいる一風不思議な写真を見て、ちょっと気になっていたのですが、銀座に用事があったついでに見に行って来ました。大森克己さんの写真展です。「すべては初めて起こる」 (KATSUMI OMORI Everything happens for the first time Project) と題されたプロジェクトの一環で行われている写真展と言う事で、このポーラ美術館アネックスでは震災後の福島の桜の開花に合わせて旅をし、東京の桜と被災地の桜と対比させています。この他にも浅草のギングリッチとマッチアンドカンパニーの書庫でも関連の写真展が行われていたり、写真集の刊行や中沢新一、服部一成らとの対話イベントなども行われています。

震災以来、まさに初めて起こることが多い昨年でした。壁に展示してある写真の中には福島の被災した集落などもあったのですが、そのピンクの球体を映したという泡のような光の玉が、どこか優しく希望に満ちたものさえ感じさせてくれます。どの写真にも不規則にピンクのハレーションが写り込んでいて、壁にずらっと並べられた写真には総じて希望の光がぽつぽつと灯されているように見えます。
面白い写真展でした。写真ってもうスナップとかは特に飽和状態になっているので、自分なりのエッセンスを加えるのに、試行錯誤がされているけれど、これは、見る人の想像力を膨らませて、写真そのものにそのイメージだけを付加して邪魔にならず、あちこちのばらばらな風景の集積でもひとつの世界を形作っていて、ちょっと引き込まれました。色々な場所・場面に何かを映りこませてシリーズ化するような事は、例えば映画の『アメリ』とかを思い出しますが、ああいったものだと写真自体が主人公にならないと言うか、主役が別に現れちゃって、観る人の感覚に訴えてこなくなっちゃうと思うんですよね。(ま、アメリは写真の動機自体が違うのですが。) そのピンクの光の玉の抽象性がエッセンスを加えながらも邪魔にならず、主役のようでいて主役ではなく、印象に残ります。あと、やっぱり福島のこの桜の小道の1枚が心に訴えるものが大きかったと思います。春の柔らかい光の感じが本当によいですよね。

《写真引用》
写真1(上) :http://grazia.woman.excite.co.jp/culture/rid_E1324368268014/
写真2(下左) :http://studiovoice.jp/?p=20941
写真3(下中) :http://shooting-mag.jp/news/exhibition/00202.html
写真4(下右) :http://www.honeyee.com/news/art/2011/003794/

企画制作は PARCO、宣伝美術は GROOVISIONSが手がけたそうです。

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by sanaegogo | 2012-01-23 00:00 | art | Comments(2)
Commented by desire_san at 2012-01-26 09:41
こんにちは。

大森克己写真展は面白そうですね。
ふつう行わないピンクの光の玉を写真にが写り込ませる手法は、不思議なな雰囲気を感じせますね。
詳しいご説明を読ませていただき、写真に対する視野が広がった思いです。
ありがとうございます。

ブログにバルト三国・リトアニアのヴィリニュスの美しい寺院と聖堂の写真を載せましたので。ぜひご覧になってください。

よろしかったらブログに感想などなんでも結構ですので、コメントをいただけると嬉しいです。
Commented by さなぁえ at 2012-02-12 00:44 x
>desire_san
今年の冬は本当に寒いですね。
写真も寒そうな冬空のトーンが多くて、春はまだまだと言う感じですが、
この写真を見ると、ひと足早い春の訪れを感じられると思いませんか。
春はもうすぐですね。


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