永遠の僕たち ― Restless
年が明けました。
新年です。
今年もどうぞ よろしくお願いいたします。



お正月は恒例(?)のお正月映画、レイトショー。何の映画を観に行こうかといろいろ見てみたのだけど、いまひとつ魅力的なものがない感じ。みーちゃんは「ミッション・インポッシブル」に行きたかったようなのですが、先日「テルマ&ルイーズ」を観た事やクラゲに癒されて来た事もあって、何となくああいったアクションものは今はあまり観たくなく、ストーリー重視でいきたい気がしたのです。そうすると、ホントに最近ってそう言う映画がないんですよね。あ、勿論都内の単館上映とかならあるんでしょうけど、家の近所のシネコンとかでやる映画で、そう言ったストーリーものは本当に少ない。で、(今の自分の気持ちにあった)少ない選択肢の中から選んだ1本が、この「永遠の僕たち」なのです。
(ミッション・インポッシブルは、何でも、トム・クルーズがビルからロープ1本でビルの壁と垂直に走りながら駆け降りるところ、あれ、特撮ではないそうですね。彼なりにこんなところで特撮や3Dへの抵抗をしてるんでしょうか・・・・。)

永遠の僕たち」は、● ドラッグストア・カウボーイ Drugstore Cowboy (1989年)、● マイ・プライベート・アイダホ My Own Private Idaho (1991年)、● グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち Good Will Hunting (1997年)、● ミルク Milk (2008年)などを監督したガス・ヴァン・サントの作品で、テーマは「死」もしくは「死ぬという事」。新年にしては重いテーマではあるかも知れないけど、いっその事死んでしまいたかったけど脳死状態から目覚めた死に囚われたイーノックと死を静かに受け止めて死んでいこうとしている末期脳腫瘍のアナベル、そしてその死を望まれるまま意味があるのかないのか解らないうちに時代の波に押されて特攻隊として死んでいった幽霊のヒロシが淡々と織り成す、イーノックとアナベルが恋人同士になってからアナベルが天に召されるまでの3ヶ月間を描いた作品です。一度死んだ者、死に行く者、死んでしまった者がそれぞれが「死」と言うものを見つめて過ごす3ヶ月を淡々と描いてます。この物語に、どうして太平洋戦争の時の特攻隊員の幽霊ヒロシなのかな、と考えながら観ていたのですが、アナベルの最期の時、「長い旅になるからお伴が必要だろう」として正装をして現れたヒロシを見て、何となく納得がいった訳です。死出の旅路のお伴をするのには、どんな風に死んでいった人が適役なのか。形式的であるにせよ覚悟を決めて愛する人の住む国を守ることになるからと言う理由で若い命を散らせた特攻隊員。死んですぐ死後の世界に順応する事なく、死んだ事をどこか客観的に観ていたのだと思います。自分がどちらの世界にもしっくりと属していないように思っていて、アナベルがそんな思いをする事がないように、しっかりとお伴をしてあげようと、一度は仲違いしたイーノックのもとにまた戻ってきたのかな、と思えてきます。国のために自分の命を捧げる、と言うのは、今も昔も外国の人には理解できない大義名分なんでしょうね。物語の中にはセップク(切腹)の事も沢山語られていました。この3者に関わる「死」のあり方や経験の仕方が物語の核を成しています。
このヒロシを演じているのが「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビューも果たしている加瀬亮で、彼の自然な演技がとてもよかった。セリフ回し(英語での)がとても自然だったからかな、と感じたのだけど、後で調べてみたら帰国子女なのですね、彼。とても存在感を放っていました。キャストを言うと、イーノックはデニス・ホッパーの忘れ形見 ヘンリー・ホッパー。繊細で感受性が強すぎる孤独で屈折したな青年を好演してました。アナベルはティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」で主役を演じたミア・ワシコウスカ。オトナの世界に踏み込む前に死ぬ事を受容れたある種の凛とした強さを持った少女を演じてました。
物語の全編を通して、アメリカの片田舎の街の秋から冬に向っていく冷たい空気感も好きです。トーンは本当に淡々としている映画なのですが、それが物語の静かに進んでいく3ヶ月時間を描くのに効果をあわらしていて、声を荒げる場面などもままありましたが、全体をとても優しいものに仕あげています。
やっぱりです。ミッション・インポッシブルじゃなくってよかった、です。


イーノックを介してコミュニケーションするアナベルとヒロシの3人
この時はまだアナベルはヒロシの姿を見る事はできず・・・・


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by sanaegogo | 2012-01-01 00:00 | movie | Comments(0)


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