モダン・アート, アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―

≪2009年 9月撮影 横浜≫


To See As Artists See
American Art From
THE PHILLIPS COLLECTION
モダン・アート, アメリカン
― 珠玉のフィリップス・コレクション ―
国立新美術館
2011.9.29[水]→12.12[月]
http://american2011.jp/index.html

モダン・アートと言っても、所謂代表的なアメリカのポップアートやミッドセンチュリーのインダストリアル・プロダクトがらみのコレクションではなく、アメリカ絵画の黎明期から隆盛期までの作品をダンカン・フィリップスが蒐集したもので、油彩画を中心としたファイン・アートのコレクションになります。何故これが観たかったのかと言うと、心惹かれるエドワード・ホッパー、何故か気になるジョージア・オキーフ、そして、懐かしさで一杯な感じのグランマ・モーゼスなどを観たい、と思ったからなのです。
"アメリカン・アート"と言うと思い浮かぶ作家は何人かいるのですが、それらのうちでホッパーとオキーフは自分の中でぱっと思い浮かぶ名前であり、グランマ・モーゼスについては、この展覧会が始まるまでは殆ど記憶の片隅の方に追いやられていて、思い出すこともなかったのですが、子供の頃彼女の描くアメリカの「大草原の小さな家」的な村の鳥瞰図は好きな絵のひとつでした。(安野光雅とかが好きだった頃があるので。) でも、正直なハナシ、これらの画家がファイン・アートの括りに入る画家達なのかは不明。と言うか、アメリカ絵画の歴史とか、よく知らないのだ。作家としては好きだけれど、どういう文脈の中に位置していて、それらの点がどのように繋がっていくものなのか、考えた事も無かったので、そう言う意味では面白い展覧会でした。
コレクションの作品の構成は、時系列でヨーロッパの美術史的な大きな流れに沿って、それにアメリカの国自体の歴史を合わせていくような形で展示されていたのですが、ヨーロッパ絵画を模倣している時代においては、あまり引き込まれるものはありませんでした。「何故この風景を描いたんだろう。ヨーロッパ的なものを描きたければ、やっぱり本場には適わないだろうし。」とか、「ここを題材にしなくても、アメリカ的な題材は他にも沢山あっただろうに。」とか、そんな題材で描かれていたとしても「何でこれを印象派っぽく描くかなー。」などと、半ば茶々を入れつつ前半を観ていたのですが、そんな意味では、断然面白くなってきたのは、この3名が登場してくる『第4章 自然と象徴』とか次の『第5章 近代生活』『第6章 都市』のあたりでしょうか。だんだんアメリカっぽくなってきたぞ。
『第4章 自然と象徴』では、ジョージア・オキーフが艶っぽい滑らかな画面でオキーフならではの筆致と色彩を観ることが出来ました。瑞々しいとか潤いのある、と言うのとはちょっと違う、一種の『滑り』感と言うか、ビロード地のあのぺっとりと指に吸い付くようなしっとりとした手触りとかも想像できます。オキーフはかつてサンタフェに旅行に行った時、美術館を観たかったのですが、改装中で閉館していて、残念な思いをした事がありました。自分の中でアメリカの自然と言うと、北部の針葉樹の森と湖などもそうなのかも知れませんが、あのサンタフェ郊外のネイティブアメリカンのプエブロの辺りで見た乾いた赤い土のとコジンマリと茂った黄緑色の樹木の織り成す光景を思い出します。きっとあの葉っぱ達が秋になるとこうして紅くなり、雪が降ってオキーフのこの絵のようなコントラストを醸し出すんでしょう。そしてそれがオキーフの愛した自然だったのだと思います。
『第5章 近代生活』『第6章 都市』では、ホッパーを始め、北部の都会の俯いた感じの鬱な光景が描かれてます。移民の国アメリカ。繁栄の時は未来に用意されているのでしょうが、この時にも既に空虚な空気が漂っている感じがするのは、この頃もまた彼らにとってあまり良い時代ではなかったからでしょうか。(世界恐慌や第2次世界大戦前後に描かれた画が主です。)暗い時代だったのですね。
他にはポロックやロスコなどもありましたが、展覧会のキャッチに『オキーフの描いた自然の官能 ホッパーの描いた都会の憂鬱』とありますが、(ワタシのように)この2人を観たくて訪れる人がきっと多いんでしょうね。
因みにエドワード・ホッパー。以前このブログに載せた写真で、『エドワード・ホッパー風』と言うのがあります。
(2009年7月10日 エドワード・ホッパー風
予てからこれが、エドワード・ホッパーの検索ワードで検索される事が頻繁にあったのですが、Google画像検索に、ホッパーの名立たる有名作の中にワタシの写真が混じってます。それも結構違和感なしに・・・・。(笑)




Georgia O'keeffe / Pattern of Leaves (1924)



Edward Hopper / Sunday (1926)



Grandma Moses / Hoosick Falls in Winter (1944)

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by sanaegogo | 2011-10-23 00:00 | art | Comments(2)
Commented by Heartblue at 2011-12-08 12:55 x
素敵だねぇ。あーあ、12日で終わりなんだ。週末行ってみようかな。
Commented by さなぁえ at 2011-12-09 01:48 x
>Heartblueさん
ジョージア・オキーフの本物は素敵でしたよ。 Santa Fe にはいっぱいあったんだろうにねぇ。
時間があったら行ってみて!


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