パウル・クレー|おわらないアトリエ


MOMAT(近美)にパウル・クレー展を観に行ってきた。

パウル・クレー|おわらないアトリエ
PAUL KLEE: Art in the Making 1883-1940
2011.5.31-7.31
東京国立近代美術館 [MOMAT]
http://klee.exhn.jp/index.html

東京近郊に美術館はいくつかあるけど、観終わって、面白かったなー、と思うのはこの近美のものが多いような気がする。他の美術館では歴史研究とか作品研究とか、テキストを読んで「なるほどねー。」と思ったりして、また、語り尽くされた感のある巨匠画家では、他の画家との交流や類似点を中心に展示したり、「○○時代」にフォーカスしていたり、と、それはそれで面白いのだけど、近美の展示はいつも「体験」が出来ると言うか、文字だけじゃなくて視覚的に解れられるというか、展示手法そのものが楽しめると言うか、なので、観終わった後、(良い意味で)心地よい疲労感が味わえる美術館だと思う。
今回のクレーは、大きくふたつのパートに分かれていて、ひとつはクレーの実際のアトリエの写真とそこに飾られているものの実物の紹介、クレーの自分の作品の整理法方と分類方法などに絡めた作品の紹介。もうひとつは、彼独特の制作過程の探究とその具体的手法の紹介。全編に亘り、映像のイントロダクションを前編に用いたり、壁にかけるだけではない裏面を見せた立体的な展示などなど、変化に富んでいて面白かったです。変化に富んだ展示と言えば、今回の迷路のような展示空間は建築家の西澤徹夫さんの設計(これもまた「作品」と呼べるのかもしれませんが。)で、公式ウェブサイトに、彼の設計スケッチとか、観る人を意図的に惑わせるような悪戯心のような設計意図について語られていて、これもまた面白いです。
http://klee.exhn.jp/times/interview/index10.html

さて、パウル・クレー展そのものですが、作品も然る事ながら、眼をひいたのはクレー自身が撮影したと言うそのアトリエの写真です。縦横無尽で意表をつくような位置にも飾られている自分自身の描いた画たち。その写真の中に納められているそのものが展示してあって、何だかクレーが生きている頃のアトリエに案内してもらったような気にもなれて、楽しい。展示されている作品もクレーらしく、線で描写された幾何学的な画面であるにも関わらず柔らかい色彩と境界線。好きです。子供の頃によくクレヨンを2重に塗って2層目(表面)のクレヨンの層を削って絵を描くのが好きだったんだけど、その頃の楽しい気持ちを思い出したりした。(と同じレベルで言ってはかなりクレーに失礼な気もするが・・・・・。)
制作過程については、クレーは色々な試行を試みていて、大きく4つの制作方法を用いてます。
● 写して / 塗って / 写して
● 切って / 回して / 貼って
● 切って / 分けて / 貼って
● おもて / うら / おもて
どれもクレーによる平面作品に変化を持たせる立体的な試みで、そこをフォーカスして見せる事で、今回のクレー展をとても変化に富んだものにしてます。切る、回す、貼る、などは、コラージュの手法の延長とも思いましたが、どちらかと言うと、今の時代の電子データでのトリミングとかレイアウトし直しとか、そっちの方に近い感覚いようですね。でももともとそれ程大きくないクレーの画をトリミングして小さくしているので、実物はかなり小さく、観る人はかなり寄って観てました。それはそれでクレーの画を身近に感じる事ができて、彼の持つ親しみやすさがクローズアップされたのだと思います。
クレーの作品は「絵画」と言う括りでもあるけれど、”デザイン性”と言う側面もとってもある。ので、ミュージアムショップのグッズも楽しいものが多かったです。iPhoneのカバーとか、ユーザーだったら記念に買ってもよいな、と思わせるものが多く、他にはフォルダファイルとか、スケールとか。私はスケール付きのブックマークを購入。グッズ売り場は物凄い人でごった返していて、ゆっくり見られなかったんですが、クレーってこんなに人気があるのでしたっけ、と思うほどの混雑でした。

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by sanaegogo | 2011-07-17 00:00 | art | Comments(0)


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