ラグジュアリー:ファッションの欲望 @ 都現美


東京都現代美術館、通称:都現美に、『ラグジュアリー:ファッションの欲望』を観に行ってきました。この展示会を企画したのは、講習会でお近づきになったWest-Riverさんのお嬢さんで、代官山のAITの講師もしていて、偶然そのお父様と後日知り合いになったのはとても楽しい経験でした。West-Riverさんは美穂子さんが企画した展示のチケットを時々送ってくださるのです。我が子の仕事を応援できるお父さんは素敵ですね。

『京都服飾文化研究財団(KCI)のコレクションから多角的な視点で精選した17世紀から現代までの作品約100点』だそうです。宝飾やアクセサリーを観せてくれる展示は時々あるけれど、洋服・服飾と言うのが面白かったです。ハイヒールのヒールの部分だけを集めたショーケースなどもあって、そう言ったものがまとまってコレクションされているのにも驚きました。足元のドレスで隠れた踵にまで当時の特権階級の人々は贅を尽くしていたんですね。

展覧会の構成は、
着飾るということは自分の力を示すこと Ostentation

削ぎ落とすことは飾ること Less is more

冒険する精神 Clothes are free-spirited

ひとつだけの服 Uniqueness

と言った感じになっていますが、冒険する精神の中では、コム・デ・ギャルソンの川久保玲さんの洋服を建築家の妹島和世さんがインスタレーションに仕上げ、写真家の畠山直哉氏がその展開図(と言うべき状態のもの凄いものでした)を撮りおろす、と言う、まさにクロス・ジャンル、クロス・メディアと言った、コンテンポラリーの面白いところが凝縮されていました。(写真はそのインスタレーションの様子) ちなみに、この川久保玲さんのシュールな服が脱がれた状態のものですが、洋服と言うよりは、ホント、展開図と言うべきもので、完成形からどうやってこの複雑なパターンを導き出すのか、(またはその逆)、どうやってそれをパターンナーに伝えるのか、川久保玲の抽象→具体・具現の思考回路に脱帽です。これはもう、デザインの域を超えてました。いち『デザイナーズ・ブランド』(死語ですか?)をとっくに超越してしまったんですね。
と、そんなシュールな感じもありながら、17世紀からのヒストリカルな部分では、女子としては心踊るものがあります。自分がその時代に生きているとしたら、どんな服が好みだったんだろう、などとふと考えました。フランス貴族から、アールヌーヴォー、アールデコ、それに近代ポップアートまで、洋服はその時代のシーンを映し出してました。興味深かったのは、現代のこの世の中でも隆盛を振るっている『盛り髪』。18世紀くらいの貴族たちも盛ってましたねー。盛り盛りでした。顔の2倍は盛って、その上に更に軍艦や馬車を載せてました。(これは、正直笑いました。) 『貴族社会の終焉。最後の悪あがき顕示。』と解説されてましたが、戦後の好調から一気に終息気味のこの2010年あたりに、女性の髪がまた盛り上がり始めた、というのもなかなか因縁を感じます。 もっともこの奇妙なコインシデンスは日本限定のもののようですが。
話をもどしますが、洋服は、まさに、時代の魁であるアーティストと伝統を守っていくアルティザンの力の結実、と言った感がありました。



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by sanaegogo | 2010-01-11 00:00 | art | Comments(4)
Commented by 高橋 誠一 at 2010-01-14 18:39 x
失礼します。個人的に結構川久保さんを好きなのでちょっとコメントしたくなりました。そして妹島和世さんも素敵な人ですよね。妹島さんの唯一の趣味は川久保さんの服を買う、着ることだそうです。
ところで、今年の夏、哲学書にはまって結構読んだんですが、ポストモダンの脱構築の考えは、川久保さんに重なっているような気がします。僕も観に行くことが出来たら行ってみようかな?もう終わる?お邪魔しました。
Commented by さなぁえ at 2010-01-15 02:18 x
>高橋さん
川久保玲さんがお好きで、尚且つその世界に哲学を見出すとは、会社員時代はさぞかしエッジのきいた方だったのだろうとお察しします。当時の私は、ギャルソンを着こなす財力も気概もなく、コムサあたりが関の山でしたが、年代的に、山口小夜子、甲田益也子、鷲尾いさ子、林マヤ、くればやしよしこ、中川比沙子と言ったあたりでしょうか。懐かしいです。(あ、ちょっと反れましたか?)
展覧会は、歴史的部分でもユニークさの部分でも理屈抜きに楽しめたのは、『洋服』と言う身近なメディアを取り上げた企画の勝利かもしれないです。
半蔵門線で1本ですし、時間があったらオススメですよ。
Commented by コバーン・デラシネ at 2010-01-22 02:12 x
さなぁえgogoに進められ会場に足を運んできました。あんまり難しいことを考えずに見たんすけど、洋服の展示って、いつぞや六本木でやっていたViktor & Rolfやヴィヴィアン・ウエストウッド以来だったのでほんとに久々。盛り盛りの頭にも目を奪われましたが、全身に玉虫がちりばめられたドレスには驚かされた。ケルトやアイヌ紋様の呪術的な響きとはまた違う。ちょっと怖い。後半、冒険する精神以降はコンセプトが先行しているような気もしたが、写真を見てさなぁえの解説を読んで、あのぐにょぐにょな世界(実際行くと歪んだ空間のなかにいるような錯覚を覚える)はそういう意味あったのね、と思う。作品としてみるとostentationのところが一番よかった。あざーす
Commented by さなぁえ at 2010-01-23 02:04 x
>コバーン・デラシネ さま
あ、やっぱり・・・・。ワタシもあの『玉虫』ドレスにはぎょっとしました。 いくら綺麗ったって、蟲だぜ、蟲。 あと、あんなに時代を経ているのにぴかぴかと綺麗だったのにも驚きました。 軍艦を乗っけた超盛り髪と言い、玉虫ドレスと言い、Ostentationを追求するばかりに何か滑稽な事も本気でやっちゃっている浅はかさみたいなのが、人間味を感じて逆に可愛かったりしましたね。
川久保玲さんのところは、不思議な不思議な空間でした。目の前にばばーんとあるから近寄ってみると、アクリル板にぶつかりそうになって決して近づけないってのも、川久保玲の世界を顕してるようでしたね。 (近寄れそうで、近寄りがたい)
こちらこそ、色々あざーした。(笑)


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