若冲を堪能 ―皇室の名宝展―
上野の東京国立博物館に『皇室の名宝展』を観にいってきました。この日、代々木八幡で用事を済ませた後、上野まで足を伸ばし、到着したのは既に夕方、陽も傾きかけていましたが、閉館まで堪能してまいりました。もちろんお目当ては、伊藤若冲の動植綵絵です。どうして若冲を知る事となったか、その画にこんなに強烈な個性がありながら、きっかけは特に覚えておらず、いつの間にか自身の心の中に入り込んできて、魅了されている江戸中期の絵師です。動植綵絵とは、その名の通り、動物と植物が織り成す世界を当時、最高級の画材を惜しげもなく使用して、10年もの歳月をかけて描きあげ、そして相国寺に奉納されたと言う30幅の画で、それが一堂に会している展示室は圧巻の一言でした。


これがその展示室の様子。
(時々拝見する、『フクヘン』のページからお借りしてきました。)


実は、博物館の告知ページをよく読むことも無く、皇室の所蔵品の中に若冲が2・3幅ちょろっとあるのだろう、と思い込んで、それでも一度生で見てみたいと思って出掛けたのですが、30幅全てを皇室が所蔵しているとは存じあげませんでした。相変わらず不勉強でドジな自分を反省するも、とても感激の誤算(と言うのだろうか、この場合・・・)でした。“近年人気の高い”若冲と言うことで、足を運んできた人は殆どこれを観に来ている様子で、また、ここで初めて知った人ですらきっと、その眼を見張るばかりの美しい画面と、単体でも並べてみても迫ってくる迫力に、足を止めて魅入ってしまい、結果、その展示室だけもの凄い人だかりなのに、遅々として列が動かないのでありました。大々的な復元が行われたと言いますが、それにしてもその発色が素晴らしい。精緻な作業は画面だけでなく、その裏や、顔料や染料で色を置いているその下地などにも丁寧施されていて、深い深い色の立体感を醸しだしています。確かな観察眼によるデッサンを描写がありながら、決してただの写実的な技巧的な対象模写だけに留まらず、若冲の『印象』がどの画にも一様に顕れています。
と、まあ、こんな事は今更ワタシがここで語らずともきっと、美術家の大家達に語りつくされて来ているでしょうが、やはり、生で観られたのはとても貴重な機会でした。その色の鮮やかさ、(鈍い色彩の放つコントラストの鮮烈さ)、筆の運びなど、『秀逸』そのものです。そして、若冲がそこに与える躍動感。30幅観終わった後は、スポーツ観戦でもしたようなうっすらとした疲労さえ感じました。
さて、他にも必見のお宝が数多くあったのでしょうが、自分の中ではすっかり、『皇室の名宝』展ではなく、『動植綵絵』ご開帳、と言う位置づけになってしまいました。ショップに行くと、若冲だけの図録があったので、熱気にあたったように購入すべく購入してしまいました。カードも購入してきたので、また個々の作品はご紹介できるかと思います。

畢生の大作を観終えた後、見上げた夕暮れの空・・・・。 風が涼しいですねぇ・・・・。



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by sanaegogo | 2009-10-10 00:00 | art | Comments(0)


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