neoteny japan (ネオテニー・ジャパン) 高橋コレクション


上野の森美術館で開催されている『neoteny japan (ネオテニー・ジャパン) 高橋コレクション』に行ってきた。“neoteny”とは“幼形成熟”の意味。オトナの機能を持たないまま、オトナの姿になりきれずオトナになってしまった幼形成熟ですが、基を正せばレッキとした生物学用語で、進化の過程で新しい動物が出現する仕組みを示すものと考えられている、らしい。独自の進化を遂げる日本の現代アートのキーワードになっている。ネオテニーと聞くと、オタク文化とごちゃ混ぜになってしまった『何だかなぁ・・・・』と思ってしまう作品ばかりかと思いきや、『~にインスパイアされました』的な一過性の思いつきと勢いのみのでなく、制作する事とちゃんと向き合っているものがきちんと展示されてた。これは偏にこの展覧会が個人のコレクションを展示したものだからのような気がする。キュレーションをする人の特化しようとしつつも満遍なく作品を選んでいくような意図的なものじゃなくて、全くの個人が思うままに集めたコレクションだから、これでもか!これでもか!的なメッセージ性がなく、淡々と観ることが出来た理由だと思う。観終わっても、妙な『お腹いっぱい』感をあまり感じることはなかった。コレクションの提供者の高橋龍太郎氏が精神科医だという事も興味をそそられたひとつの理由だ。考えて作品を創る人と感じて創る人がいると思うんだけど、試行錯誤と言うプロセスは同じな訳で、人間のものを考えるプロセスや感じていくプロセスを分析していく精神科医と言う立場の高橋氏が、どういうところに惹かれてこの作品を収集するに至ったのかな、なんて想像しながら見るのも楽しかった。『精緻な作業』を感じさせるような作品が多かったのは、気のせいか、単にワタシが好きだから目に付いただけなのかな。青山悟の『校庭(西)』『校庭(東)』『Ring』は、刺繍の作品。目を疑いたくなる程、細かい糸を濃密に細密に刺し込んである。池田学の『領域』『興亡史』にも圧倒された。ひと作品あたり2・3年を費やして下書きなしで繰り広げられるその領域や興亡史の光景は、何処を、何を見据えながら描いているのか、その集中力は圧巻である。

気に入った作品があるといつもポストカードを何枚か買って帰るんだけど、本日はこの3枚を。


奈良美智
深い深い水たまり
1995年

奈良さんはもっと小振りの作品しか生で観たことがなくて、今回はこれを含め大きな作品が3枚展示されてたんだけど、認識を改めました。プリントで観るのと実物を観るのとまるで違いますね。ただの「カワイイけどコワい子供の絵」と言う括りではないです。プリントでは表現し得ない奈良さんの生の画面を観る事が出来て、良かったです。


加藤美佳
パンジーズ
2001年

一目見て惚れてしまった作品です。顔はこちらを向いているのに、決して眼を合わせようとはせずに、でもしっかりとした視線で、どこか別の場所を見ている女の子。何も語りかけて来ない無機質な視線が妙に心に刺さりました。


小林孝亘
Dog
1998年

小林孝亘は、以前個展を観にいったこともあって、白・グレー・水色・ベージュなどの優しい色でジワッと描き込まれている境界線の感じが印象的。暑い夏に庭のプールか何かに飛び込んだ犬がご主人様をきょとんと見上げる眼差しがかわいい。


22390
[PR]
by sanaegogo | 2009-07-03 00:00 | art | Comments(4)
Commented by イシザカ at 2009-07-08 00:34 x
とても可愛らしいブログですね。
興味深く拝見させて頂きました。

また立ち寄らせて頂きます。
Commented by さなぁえ at 2009-07-08 22:48 x
>イシザカさん
ご訪問ありがとうございます。
“フォトギャラリー&エッセイ”を目指しているんですが、なかなかどーして・・・・。
イシザカさんの写真もとても素敵ですね。 いつもコンデジ持ち歩いてるんですか?
Commented by イシザカ at 2009-07-14 01:23 x
こんばんは。お褒めのお言葉ありがとうございます。
写真は2年ほど前に始めました。気合いを入れて撮る時は一眼ですが、
常にコンデジは持ち歩いてますよ。
Commented by さなぁえ at 2009-07-14 15:20 x
>イシザカさん
街を歩いてると、『あ、今一眼、持ってたら・・・。惜しいっ!』
って思っちゃう事ありますよね。
コンデジの方が肩の力が抜けて、いい感じになる事も多いですが。
また遊びに来てくださ~い!


<< Heal the World,... 念願のBBクリームを購入 >>